「鍵をなくして家に入れない」という理由で業者を呼んだら、高額料金を請求された-。そんな被害が相次いでいるとの情報が西日本新聞の特命取材班に寄せられた。
福岡県内の複数の鍵店によると、料金は高くても数万円のはずが、「数千円」の低料金をうたって10万円以上請求する業者もいるという。調べてみると、厳しい業界事情が浮かんできた。
「日本一の技術、どんな鍵でも解錠」「早い、安い、安心」
今年3月、自宅の鍵を紛失した福岡県内の女性は、インターネットで見つけた業者に依頼した。工具箱を片手にやって来た作業員は鍵を見るなり、「これは難しいですね」。鍵を開けてくれるはずがシリンダー錠を破壊し、鍵交換料や出張料など計10万円を請求されたという。
高額のキャンセル料を請求されるケースも
国民生活センターによると、同様の相談は2008年に49件だったが、昨年は235件で約5倍に。業者のサイトには「数千円から」と表示されているものの、はっきりと料金を明示しないのが特徴で、理由をつけて加算される。断ると高額のキャンセル料を請求されるケースもある。
福岡県内に店舗を構える複数の鍵店に聞いたところ、解錠料金は鍵の種類や鍵穴の数などで異なる。明確な料金をあらかじめ提示するのは難しいというが、「開けるだけなら、おおむね1万~2万円程度。鍵の形状を教えてもらえれば大体の料金は提示できるはず」と口をそろえた。
「かつて客からぼったくっていた」業者の男性に話を聞くと…
取材を進めると、「かつて客からぼったくっていた」と打ち明ける業者の男性に出会った。証言によると、高額請求を行う業者の多くが全国で展開する大手業者の下請けになっている。サイトを見た客が電話で依頼すると、「本部」から地元の下請け業者に連絡が行く仕組み。客を紹介してもらう代わりに売り上げの4割を吸い上げられるといい、「適正価格で商売していたら食べていけない」と漏らした。
大手にぶらさがらなければ生計を立てることが難しい事情もあるようだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180724-00010000-nishinp-soci
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