【桂春蝶の蝶々発止。】
自衛艦旗「旭日旗」が、韓国でえらい問題になっていましたね。韓国メディアは「軍国主義の象徴だ」などと書き立て、韓国政府は国際観艦式に参加予定だった海上自衛隊に「旭日旗を外せ」と滅茶苦茶な要請をした。当然、わが海自は参加を拒否しました。
そんな韓国を批判するのは普通すぎるので、ある視点からこの国を語ってみたいと思います。
私は何度か落語で韓国公演をしているのですが、結論から言えば「とても好きな国」です。
韓国映画の大ファン(=一番好きな韓国映画は『国際市場で逢いましょう』)だし、何より韓国料理が最高じゃないですか。あの国に行くと、人々が活気に満ちあふれていて元気になります。
「活気がある」と言いましたが、ソウル市内を歩いていると、「デモ」が多いことに気付きます。規模や性別、年齢はまちまちですが、皆がプラカードを持って何かを主張している。
政治的なもの、賃金要求、人権関連…。主張はさまざまです。聞けば、2人からデモは認められるらしく、それぞれが真剣ながらも明るく楽しそうにデモをしています。
ある学生集団のデモを見て、現地の友人が「あれはとても貧弱で、情けないデモだよ」と言いました。「なぜ?」と聞くと、友人は「最近の学生は『デモをしない』と批判されている。それで慌ててやってるもんだから、主張の中身がスカスカなんだよね」と笑っていました。
韓国人はとにかくみんなで集まって適当に怒り、主張し、ちょいゴネる。1人で飯を食べることもほとんどしない。これが韓国の国民性で、1つの呼吸法みたいなもんらしいです(笑)。
日本人みたいに何かを主張するとき、「自らの進退をかける」といった、そんな感じではないそうです。「反◯◯」は日常茶飯事なのです。
私は逆に日本人は「騒ぎすぎ」だと思います。「旭日旗」に文句を言うのは、彼らにとって「チゲ鍋のシメにラーメンを入れる」感じの、半ば流れ作業なんですよ。
しかし、最近、韓国人の国民性も変化しつつあるみたいですよ。
いま韓国で、テレビ東京系の人気番組「孤独のグルメ」が大ヒットしているというではありませんか! お一人さまで、熱くならずに淡々と絶品料理に舌鼓をうつ。対外的に何かを言うのではなく、すべて心の声で表現して微笑む、あの番組。
もっとヒットして韓国人の心に染みていけば、対外的主張が影をひそめ、デモも少なくなるのではないでしょうか(笑)。すると反日感情も減り、旭日旗でもめることも無くなりそうだ!?
よし! 日韓の橋渡しは「孤独のグルメ」の主人公、井之頭五郎(いのがしら・ごろう)さんに任せましょう!
■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00000009-ykf-soci
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