安倍晋三首相の中国訪問(25~27日)に合わせて、新たなジャイアントパンダの貸与で日中が合意するという。中国はパンダを「外交ツール」として使い、
日中友好を演出するつもりだが、「日米分断工作」という見方があるうえ、沖縄県・尖閣諸島への中国公船の侵入は常態化している。パンダのかわいらしさに目がくらみ、対応が甘くなってはならない。
中国はかつて、パンダを「友好の証」として贈っていたが、1982年に「絶滅の危機」などを理由に贈与をやめ、「共同研究」などを名目に貸与する形を取るようになった。そのレンタル料や維持管理費は、年に億単位ともいわれる。
新規貸与で合意となれば、2011年12月、野田佳彦首相と胡錦濤国家主席による日中首脳会談以来となる。「東日本大震災の復興シンボル」という位置付けだったが、翌年の尖閣諸島国有化などで中国国内で「反日デモ」が激化し、貸与は暗礁に乗り上げた。
日中両国は今回、平和友好条約締結40年を機に、パンダ貸与でぎくしゃくした「日中関係の改善の象徴」にできればと考えたとされる。
ただ、パンダは「中国によるチベット侵略と、人権弾圧の歴史の象徴」という指摘がある。
中国は1949年の建国後、「チベットを帝国主義者の手から解放する」として、人民解放軍を侵攻させた。チベットのダライ・ラマ法王は国外に逃れた。
歴史的にチベットとされる地域は、チベット自治区だけでなく、雲南省や四川省、甘粛省にも及ぶ。野生のパンダは四川省などの限られた地域に生息している。
チベット出身で、拓殖大国際日本文化研究所のペマ・ギャルポ教授(65)は「米中新冷戦が顕在化するなか、中国はパンダ外交で、日本と米国との間にくさびを打ち込もうとしている。貸与の見返りに、
習近平国家主席が巨大経済圏構想『一帯一路』参加や、『日中通貨交換(スワップ)協定』再開を強気で求めてくる可能性もある。日本が得るものはない。日本人は『パンダ外交』にだまされてはダメだ」と警鐘を鳴らした。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000010-ykf-soci
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