出願時から現役生に加点。補欠合格で特定の受験生を優遇-。大学医学部の入試問題をめぐる調査で、文部科学省が23日に公表した中間報告では、入試の各段階で、性別や浪人年数などによって合否に差異を設けていた実態が明らかになった。出願時期が迫る中、受験生への影響は大きく、ぎりぎりでの志望校変更などの混乱が予想される。予備校関係者からは、不正の疑いのある大学名などを公表しなかった文科省の対応にも疑問の声が上がっている
「面接などで女子や多浪生を不利に扱っているというのは、受験業界では知られていたが、出願時の書類審査から現役生に加点していたとは驚きだ。まじめに勉強してきた受験生がかわいそう。大学名が明らかになれば、志望校変更の動きが当然出てくるだろう」
大手予備校の関係者はこう話し、入試の入り口段階から不適切な扱いがみられたことに憤った。
中間報告によれば、不適切とはいえないまでも「誤解を招きかねない事案」として、補欠合格や繰り上げ合格の決定を学長や学部長らに一任しているケースや、面接で多浪生を慎重に検討することをマニュアル化しているケースなど、グレーゾーンが多い実態も判明した。
別の予備校関係者は「こうしたグレーゾーンも、不適切な扱いと同列だ。受験生には対応のしようがなく、とくに多浪生のショックは大きいだろう」と懸念。
文科省が大学名などを明らかにしなかったことについては、「多くの私立大医学部は12月から出願が始まる。その時期が近づくほど、大学名が明らかになることへの受験生への混乱は大きい。考慮すべきだ」と話す。
医学部入試をめぐっては、東京医科大(東京)の1次試験で特定の受験生を不正に加点したり、2次試験で女子や3浪以上の合格を抑制する得点操作を繰り返したりしたことが判明。
昭和大(同)でも2次試験で現役と1浪の受験生に加算する得点操作などをしていたことが分かり、両校とも陳謝している。
ただ、大学によって対応は分かれており、文科省から不適切な扱いの疑いがあるとして説明を求められている順天堂大(同)では、第三者委員会による調査結果を11月下旬をめどに公表することにしている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181023-00000546-san-soci
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