「小学生の長男が学校で熱中症の症状を訴え、早退した。授業中の水分補給は認められていない。対応に問題はないでしょうか」。
福岡県直方市の30代女性から西日本新聞の特命取材班に疑問の声が届いた。教室にエアコンはなく、気温は35度に達していたという。
全国で記録的な猛暑が続き、愛知県豊田市では熱中症で児童が亡くなる痛ましい事故があった。学校現場の暑さ対策はどうなっているのか。
女性によると、長男は17日に学校で嘔吐(おうと)、発熱し翌日、熱中症と診断された。教室の席は直射日光が当たり、扇風機の風も届かない。
水筒を持参していたが、普段から教師が「集中を妨げる」として授業中に飲むことを禁じているため、我慢したという。
授業中の飲食を原則禁じる自治体も
直方市教育委員会によると、小学校の教室にはエアコンはなく、来年度以降整備する方針。授業中の水分補給については「絶対に飲んだらいけないというルールはない。児童の安全を第一に学校判断で柔軟に対応していく」と説明した。
授業中の飲食を原則禁じる自治体は少なくない。女性の長男のようなケースは他にもあるかもしれない。
冷房設置率の全国平均は49・6%
そもそも、冷房の設置状況は自治体によって大きく異なっている。文部科学省によると、公立小中学校普通教室の冷房設置率の全国平均は49・6%(昨年4月現在)。
九州7県で上回ったのは福岡県(65・5%)だけ。福岡市や同県久留米市は小学校の全教室に設置。北九州市も本年度中に設置を終える。
設置進まぬ理由、財政負担大きく
一方、最も低い長崎県は8・6%。大半の小学校で未設置の同県諫早市教委は「必要性は認識しているが、全小中学校に設置するには約8億円かかる」。設置が進まない理由はやはり、財政負担の大きさにある。
豊田市で17日に亡くなった男児は校外学習から戻った後、意識不明となった。
大分県教委は、気温35度以上なら原則、屋内外問わず運動を中止するよう呼び掛けている。連日猛暑日が続く同県日田市では、校外活動を中止したり、休み時間の外遊びを控えたりするよう指導する学校も。
北九州市教委のように、医師や消防士を招き、熱中症予防や対処を学ぶ児童・生徒向けの講習会を開催する自治体もあった。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180720-00010000-nishinp-soci
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