文部科学省が平成31年度税制改正要望で、祖父母らが孫らに教育資金の一括贈与をした場合の贈与税の非課税措置について、恒久化を求める方針であることが27日、分かった。今年末に決定する与党税制改正大綱への盛り込みを目指す。
同年度の文部科学関係の概算要求額も判明した。一般会計総額は、30年度当初予算比11・8%増の5兆9351億円。教員の長時間勤務の要因とされる部活動指導にあたる人員を、大幅増員して勤務状態改善を図る。
孫らに教育資金の一括贈与をした場合の贈与税の非課税制度は、25年度に導入された。30歳未満の孫らに、1人あたり1500万円を上限に教育資金を贈与しても、贈与税がかからないというものだ。
信託口座を開設し、教育資金を預け入れ、入学金や授業料を引き出すという仕組みで、来年3月31日までの時限措置となっている。
これを恒久措置とすることで、高齢者から若い世代に資産の移転が進み、同時に親の教育費負担を軽くすることができる。
少子化が進む中、出産に躊(ちゅう)躇(ちょ)する要因には将来の経済的不安がある。文科省はこうした不安を今後も軽減するため、恒久化を求める。30歳未満という年齢上限の引き上げも求める方針だ。
一方、概算要求では中学校の部活動指導員の関連予算を30年度の5億円から13億円へと増額し、4500人から1万2千人へと増員する。
公立学校で事務作業を代行する「スクール・サポート・スタッフ」も3千人から4千人に拡充する計画で、今年度予算の5億円増の17億円を計上した。
また、人工多能性幹細胞(iPS細胞)などによる世界最先端医療の実現に向け、医療分野の研究開発の促進も図る。新規事業として、バイオ創薬や遺伝子治療に関する革新的な技術を開発するための予算として24億円を盛り込んだ。
このほか、ブロック塀の倒壊防止策の支援など公立学校の安全対策、防災機能の強化として今年度予算(682億円)の3・5倍にあたる2414億円を計上。2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、競技力強化事業として110億円を盛り込んだ。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180828-00000505-san-pol
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