内戦下のシリアで武装勢力に拘束され、解放されたフリージャーナリスト安田純平さん(44)に対し、「自ら紛争地域に入り拘束されたのだから自業自得だ」との批判がインターネットを中心に広がり、論争になっている。
「自己責任論はジャーナリズムの否定」と擁護する声も根強く、著名人もツイッターを通じて「参戦」している。
安田さんは2015年6月に拘束された後、3年4カ月ぶりに解放され、今月25日に帰国した。イラク戦争中の04年にも、現地で別の武装組織に拘束されたことがある。
解放後、ネット上には「情報収集などでかなりの税金が使われた」「自己責任で行って、あげく助けてって迷惑」など厳しい内容の書き込みが相次いだ。自己責任をめぐる議論は、日本人の男女3人が04年、イラクで武装グループの人質になった際などにも起きた。
こうした批判に対し、門奈直樹立教大名誉教授(メディア論)は「記者の行動を自己責任で片付けるのは、ジャーナリズムの否定につながる」と指摘。政府には邦人保護の義務があり、「身代金の要求にも対応する責任がある」と強調する。
危機管理などに詳しい河本志朗日本大教授は、危険を冒したフリージャーナリストのニュース素材を使う大手メディアに対し「安全対策は本人任せでいいのか」と話す。
一方、米大リーグのダルビッシュ有投手は「誰かが行かないと内情が分からない」と安田さんの行動に理解を示す。落語家の立川志らくさんは「彼が反省すべきは身代金が(武装勢力に)払われていた場合。その金で人が殺される」と指摘し、
「助かったんだからまずは良かったねと言うべき。それがあっての議論であり、非難だと思う」と投稿した。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181027-00000006-jij-soci
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