国際司法裁判所(ICJ)は、領土問題といった国家間の紛争を国際法に基づいて解決するための国連機関として昭和20(1945)年に設立された。
ICJで裁判を開く手続きには、ケース1=国がB国に提訴の同意を得て共同付託、ケース2=A国が単独で提訴し、B国が同意する-の方法がある。どちらも原則、紛争当事国間の合意が必要なため、一方が裁判を望んでも相手が応じなければ裁判は成立しない。
これとは別にICJの強制管轄権を受諾している国同士が争う場合は、一方が提訴すれば裁判が成立する。ただ、管轄権を受諾しているのは国連加盟国193カ国中、38%の73カ国にすぎない。ロシアや中国とともに、韓国も受諾していない。
日本政府は竹島(島根県隠岐の島町)の帰属をめぐり昭和29年、37年、平成24年にそれぞれICJへの共同付託を提案したことがあるが、いずれも韓国が同意せず裁判に至らなかった。
これまでに日本がICJに提訴して実際に裁判が開かれた例はない。北方領土をめぐり昭和47(1972)年、当時のソ連に付託を提案したが、拒否された。今回の元徴用工をめぐる韓国最高裁判決を受けて日本がICJへの共同付託などを提案しても、韓国は応じないとみられる。
それでもICJへの提訴をちらつかせる意味はある。外務省幹部は、提訴も辞さない姿勢を素早く示すことで「韓国が国際法を守っていないと国際社会にアピールできる」と話している。(力武崇樹)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181101-00000666-san-pol
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