朝ドラが好きで、「半分、青い。」を欠かさず見ている。すごく展開が速い。ヒロイン・鈴愛(永野芽郁)が涼次(間宮祥太朗)と出会い、結婚し、涼次が映画の道をあきらめ、子どもが5歳になったと思ったら、突然として涼次から離婚を切り出されたのが8月1日のこと。出会いから1カ月もたっていない。
涼次が語るには、ベストセラー作家の佐野弓子(若村麻由美)から小説を脚本にしてくれと頼まれ、4年かけて書き上げた。それを佐野がほめてくれ、映画を撮ることになった。ついては離婚をして、退路を断ちたい、と。
この説明で涼次は最初、作家のことを「佐野弓子先生」と言っていた。が、途中から、「書き上げたシナリオを持って弓子さんのところに行ったら、いいじゃない、(中略)とかほめられて」「弓子さん、俺のホンじゃなきゃ、嫌だって」と変わる。そこで鈴愛が、こう一言。
「弓子さんとか、気持ち悪い」
賛否の分かれる「半分、青い。」の脚本(北川悦吏子)だが、私はこういう何気ない一言に力量を感じる。北川さん、分かってるなと思う。
「一強のウットリ」がダダ漏れ
杉田水脈・自民党衆院議員のLGBT支援についての寄稿(『新潮45』)は、多くの問題点が指摘されている。「生産性」という言葉以外にも、あまりに問題が多い。その根本にあるのが、「弓子さんとか、気持ち悪い」という鈴愛の指摘だと思う。それを書くにあたり、最初に丸川珠代・自民党参院議員の話をする。
3月27日、参院予算委員会の証人喚問で佐川宣寿・前国税庁長官(前財務省理財局長)への質問に立った。森友学園の国有地取引の決済文書を、財務省が改ざんした。そこに政治家、官邸の関与はあったのか。国民が知りたいのは、そこだった。
以下、2人のやりとりを抜粋する。
“丸川「佐川さん、あるいは理財局に対して、安倍総理からの指示はありませんでしたね」→佐川「ございませんでした」→丸川「念のために伺いますが、
安倍総理夫人からの指示もありませんでしたね」→佐川「ございませんでした」→丸川「少し丁寧に聞きます。官邸の官房長官、官房副長官、総理秘書官からの指示はありましたか」→佐川「ございませんでした」“
丁寧が聞いて呆れる。「質問」でなく、丸川氏と佐川氏、つまり自民党と財務省、どちらにも都合の良い結論ありきの「確認」だった。
証人喚問の無駄遣い。だが丸川さんは、実にうれしそうだった。「自民党の丸川珠代でございます」から始まった質問は、アナウンサーとして鍛えた声を、ややゆったりとした調子で、たっぷり聞かせていた。ウットリしていた。酔っていた。
何にウットリし、酔っていたか。彼女がこの日、一人称として使っていた表現がある。「私たち与党」。ウットリと使っていた。
与党=一強の自民党、私はその一員よ。その喜びがダダ漏れだった。気持ち悪かった。そう、これが「弓子さんとか、気持ち悪い」の正体だ。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180812-00010000-binsider-pol
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