飲酒運転による事故でミニバイクの男性を死亡させ逃走し、事故後に酒を飲んだとして、自動車運転処罰法違反(過失致死アルコール等影響発覚免脱)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた牧之原市中、建設作業員の男(20)の判決公判で、静岡地裁は17日、懲役6年(求刑懲役7年)を言い渡した。
新城博士裁判官は判決理由で「多量に飲酒した後、帰宅のため安易に運転をした動機に必要性や緊急性は一切ない」と指摘。
追い越し禁止区間で対向車線にはみ出し、法定最高速度の時速50キロを大幅に上回る約100キロで走行した点を挙げ「過失は甚だ大きい」と述べた。飲酒運転の発覚を恐れて現場から逃走し、自宅でさらに酒を飲む「追い飲み」行為に及んだ点について「卑劣で悪質」と断じた。
判決によると、被告は4月13日午前0時25分ごろ、焼津市上小杉の国道150号で乗用車を飲酒運転し、交差点を右折しようとしていた静岡市葵区の会社員の男性=当時(27)=のミニバイクに追突して死亡させ、そのまま逃走した。同日午前1時ごろ、飲酒運転の発覚を免れるため、自宅でウイスキーを飲んだ。
■飲酒事故減少も 撲滅は道半ば 静岡県警「甘い認識」
飲酒運転に関連した事故の罰則を強化した自動車運転処罰法の施行から4年。飲酒事故や取り締まりの件数は徐々に減少しているものの、撲滅は道半ばだ。県警は「厳罰化による抑止効果が認められた一方、制度の定着に伴い規範意識が薄れる傾向がある」と危機感を強めている。
県警によると、2017年に発生した飲酒人身事故は114件で、10年前に比べ約3割減少した。物損事故や検問を含む飲酒運転の取り締まり件数も約6割減少。
反則点数の引き上げや「発覚免脱」の新設など法改正を機に減ってきたが、17年は前年の倍以上の11人が命を落とすなど重大事故は絶えない。県警交通企画課の担当者は「若い世代には厳罰化の経緯を知らない人もいる。『見つからなければ』などという甘い認識で飲酒運転を繰り返し、事故に至る例も多い」と警鐘を鳴らす。
静岡新聞社
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180718-00000006-at_s-l22
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