防衛省が韓国主催の国際観艦式への海上自衛隊派遣を見送ったのは、韓国側が求める自衛艦旗「旭日旗」の掲揚自粛という無理筋の要求を、到底受け入れることができないからだ。国内法や国際法に反する一方的な注文を諾々とのめば、国際社会での日本の信頼失墜にもつながりかねない。「韓国の要求に従えば、日本は法に違反する国家となる。検討にも値しない」
外務省幹部は派遣見送りの理由をこう語る。
自衛艦旗の掲揚は自衛隊法で義務づけられ、国連海洋法条約も国籍と軍隊に属することを示す「外部標識」を掲げることを規定する。韓国の要求は「非常識」(海自幹部)との批判は免れない。
もし要求に応じれば、日本の防衛に影響が出る可能性もある。制服組トップの河野克俊統合幕僚長は、自衛艦旗を「海上自衛官の誇り」と表現する。国際社会でも、主権の象徴である軍艦旗は最上級の敬意が払われるべき存在だ。その重みを持つ自衛艦旗を、日本がやすやすと降ろす姿を他国はどう見るか。
元海将の香田洋二氏は「中国は日本を『強硬に出ればすぐ退く国』とみて、尖閣諸島(沖縄県石垣市)への圧力を強めただろう。米国をはじめ友好国からの信頼も失う。派遣見送りは適切な判断」と語る。
政府内には、自衛艦旗を掲げ観艦式に参加する強硬論もあったが、見送った。外務省幹部は「主催国である韓国の顔をつぶさないための、せめてもの措置だ」と語る。(石鍋圭)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00000654-san-pol
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