立憲民主党は1日の衆院予算委員会で、新閣僚の「政治とカネ」や安倍晋三首相の政治姿勢、さらには森友・加計学園問題まで持ち出して政権批判を強めた。一方で予算委の本来のテーマである災害・復旧対策に関する質疑は、3時間半の持ち時間中、答弁を含めわずか計10分程度。防災対策などに多くの時間を費やした与党側とは対照的だった。(大島悠亮)
「加計学園の獣医学部の今回の選定プロセス、一点の曇りもなかったという認識か」
立憲民主党の逢坂誠二氏は、国家戦略特区を担当する片山さつき地方創生担当相にこう迫った。昨年春に加計問題が浮上した後、何度も国会で繰り広げられた光景だが、追及する野党側に目新しい攻撃材料があるわけでもなかった。
1日の予算委では自民、公明、立憲民主各党から計9人が質疑に立った。このうち立憲民主党は長妻昭代表代行や逢坂氏ら4人をそろえ、森友・加計学園問題のほか、
片山氏が国税庁に100万円で口利きしたとされる疑惑や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設問題などを中心に政権批判を展開した。
一方、今後の日韓関係に大きな影を落としかねない韓国の元徴用工をめぐる訴訟の判決は誰も取り上げなかった。
今回の予算委は、総額9356億円の平成30年度第1次補正予算案を審議するために開かれている。西日本豪雨や大阪北部地震などの災害からの復旧・復興に向けた対策費は計7275億円で77%を占める。
今夏の猛暑を受けた全公立小中学校の教室へのエアコン設置費用や災害対応用の予備費も含めると、ほぼ全額が災害対策費と言っていい。
しかし、防災や被災者らへの支援策に関する立憲民主党の質問は長妻、逢坂氏の計10分程度にとどまった。本多平直氏は森友問題に関し「まだまだ十分と思っていない」と今後の追及に意欲を見せた。
これに対し自民党は西日本豪雨で甚大な被害が出た岡山県が地元の橋本岳氏、地震の爪痕が今も残る北海道選出の堀井学氏を起用し、防災や被害者支援の問題に多くの時間を割いた。
予算委は「国会審議の花形」とされ、予算案の内容と直接関係ない議題でも広範に取り上げることが多い。とはいえ、この日は与野党の姿勢が顕著に表れた予算委となった。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181101-00000652-san-pol
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