仙台市宮城野区の仙台東署東仙台交番で清野裕彰巡査長(33)が刺殺された事件は、富山市の交番で6月に起きた警察官殺害事件を受け、宮城県警が交番や駐在所に対する襲撃対策の強化に乗り出したさなかに起きた。富山市の事件翌日の6月27日、宮城県警は千葉泰忍地域部長が県内24署の署長に電話し、交番や駐在所への来訪者との間合いの確保や、裏口の施錠徹底などを指示した。
県警教養課も拾得物届の受理と道案内の業務を、事件が起きやすいケースとして選定。各署や交番などを訪問し、襲撃してきた相手をかわす方法や、拳銃を奪われないための具体的な方策を指導していたが、今回防げなかった。
県内では登米市の佐沼署米山駐在所で2005年8月、所長の男性警部補が中学3年の男子生徒に背中を刺され、重傷を負う事件が起きた。
県警はその後、交番・駐在所勤務の警察官に常時、耐刃防護衣(防刃チョッキ)を着用するよう義務付けたが、清野巡査長は身に着けておらず、徹底されていなかった。
東仙台交番には防犯カメラが未設置で、事後検証に支障が出るなど課題も浮かび上がっている。
同様に防犯設備が不十分な交番・駐在所は多く、県警地域課の担当者は「再発防止のため防犯カメラの設置を含め、万全の対策に向けて態勢を強化したい」と話す。
◎問われる意識改善/ジャーナリストの大谷昭宏さんの話
市民の盾となって守るのが警察官。いざとなれば拳銃を発砲してでも助けてくれるとの思いが、安全安心な暮らしを支えている。
ところが警察官はあくまでも市民を守る立場であって、守られる側との発想はあまりない。今回の事件で男は落とし物の届け出を装ったとされる。市民への対応は、トラブルを防止するため基本的に複数人で行うべきだ。
装備の改良も重要だが、採用間もない警察学校の初任科生らに、襲われた場合の対応をより徹底して教え込むなど、意識面での改善が必要と考える。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180920-00000003-khks-soci
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