【アーカイブ:内容は2018年5月3日の初出時点のものです】
「女性は家を守り、男が外で稼いでくる」といった昭和的な考えにとらわれず、役割を見直す夫婦が見られるようになりました。どちらかが仕事が大変な時は、もう1人が家事や育児を担い、交代でキャリアを積み上げる。
専門家は、仕事や家事への気持ちを「見える化」することが大切だと言います。スムーズな夫婦の「攻守交代」と、落とし穴について聞きました。(朝日新聞記者・松川希実)
仕事も子育ても挑戦できた
「出産すれば、これまでのキャリアから外れ、職種も限定された『マミートラック』に入ると思っていました」
システムエンジニアの池田宏美さん(39)は10年前は子育てをあきらめていました。同じシステムエンジニアだった夫の浩久さん(41)も、夜も土日もなく働く状態だったからです。
しかし今、神奈川県で生後11カ月から8歳まで、4人の子育てをしています。ゴールデンウィーク明けには、宏美さんは短時間勤務でグループを統括する元の役職に戻ります。
求められ、仕事も家事も頑張りすぎた
大阪府出身の宏美さん。浩久さんは福岡県出身で、第1子・愛唯ちゃん(8)は里帰り出産でした。復職するときに30日の育休をとった浩久さんですが、二人きりで出かけても、泣き出したとたんどうして良いかわからず、家にトンボ帰りしたことも。宏美さんは初めての復職後を振り返ります。
「家事も育児もワンオペ状態だった上、上司も『やれるなら頑張りなよ』という雰囲気。私も働きたかったし、求められるとセーブが効かず、時短勤務なのに夜9時まで残業ということもざらでした。1人目の時は頑張り過ぎました」
愛唯ちゃんは保育園で夕食まで食べさせてもらい、寝るのが夜11時になることもありました。ある日、愛唯ちゃんに「保育園行きたくない」と訴えられ、不安定な気持ちに気づいたと言います。
「何回とるつもり?」育休申請で
浩久さんは、次女の出産から40日の育休を取り、家事をすべて引き受けました。出社時間を早め、退勤時間を繰り上げて、保育園のお迎えもできるようにしました。
「長女の時の育休は、心の半分で『これで同期と差がつく』と思っていました。でも次女の時には、迷いはなかった。子どもが一番という意識がだんだんついてきたんです」
しかし三女が産まれた2015年の春、育休を申請した浩久さんに、上司は「何回取るつもり?」と尋ねました。忘れがたい一言でした。その年の秋、第4子の妊娠が判明しました。
「この先、どうしようか」。ノートを開いて何度も夫婦で話し合いました。最大限、仕事の時間を削っていましたが、家事と仕事で互いに疲れ、家庭はギスギスしていたと言います。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180817-00010000-asahit-soci
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