西日本を襲った記録的豪雨。今回、近畿各地でも、多くの世帯に「避難指示」が出された。実は、この「避難指示」、自治体ごとに出し方や認識が異なる。「西日本豪雨」で、大規模な土石流が発生した神戸市灘区篠原台では、発生から6日経った12日も、住民らが懸命の復旧作業を続けている。しかし、先週金曜日の6日に209世帯に出された「避難指示」は、11日夕方には、一部の世帯で「避難準備」に引き下げられたが、12日現在、76世帯に出されたままだ。
同じ地域の中でも、細かく避難指示と避難準備の場所が分けられている状況だ。
「避難準備」エリアの住人は「(避難準備への引き下げは)ありがたいけど、危険は危険。まだみんなが、完全に家の中に入って生活できる状況にはない」と語る。
一方「避難指示」が出されたままの地域で、土砂の撤去を続ける人も少なくない。「避難指示」エリアの住人は「避難指示が出ていても、土砂が腐ってきたら家もやられるので(復旧作業を)やらないと仕方がない。(避難指示を)無視してやってますけど。早く避難指示を引き下げてほしい」と言う。
神戸市によると、土石流の発生場所や住宅地には、今も大量の泥が堆積していて、2次災害が発生する可能性があるため、避難指示を解除できないという。
避難指示には法的拘束力がないため、復旧を急ぎたい住民と、自治体のと間で温度差が生まれている状況だ。
史上まれにみる豪雨により、石川県から鹿児島県まで、広範囲に及んだ避難指示と避難勧告。その対象は、23府県で863万人にのぼる。しかし、実際に避難した人の数は、19府県でわずか4万2千人だ。
京都でも前例のない避難指示が出された。中心部を流れる鴨川は、激しい濁流により、遊歩道の法面が崩壊。判断の基準になっている鴨川の水位が、氾濫危険水位に達したことから、6日の午後6時40分に、京都市内で48万6000人以上に避難指示が発令された。
しかし、京都市内で実際に指定緊急避難所に避難した人は、わずか2300人程度にとどまった。
避難指示エリアの住人は「家の2階に大事なものを持って上がって2階で避難していた。川沿いを歩いて行かないと避難所がないので、氾濫したら、避難所に行くまでに巻き込まれるのではという不安も大きかった」と言う。
そもそも、京都市は、対象となった48万人を収容できる避難所を用意しておらず、対象者全員が避難した場合、収容できないのが現状だ。
今回、広い範囲で発令された「避難指示」だが、実は、自治体によって認識や出し方が違う。「避難指示」の重みについて改めて考えたい。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180712-00000074-ytv-soci
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