21日投開票された那覇市長選では、共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄」が推す無所属、現職の城間幹子氏(67)が自民、公明両党などが推した候補を破り、再選を果たした。与党は沖縄で9月の知事選、今月の豊見城(とみぐすく)市長選に続く敗北で、米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)移設問題にも影を落としそうだ。「県都」の市長選は国政選のバロメーターとしても注目度が高いが、最近は各地で与党の敗北が相次いでいる。
自民党の甘利明選対委員長は22日、取材に「現職の壁は破れなかった。沖縄県民、市民の思いを共有しつつ、安全保障の問題をどうすり合わせていくのか、これからの課題として受け止めていく」と振り返った。
那覇市長選の結果は単なる首長選の敗北にとどまらない。別の自民党選対幹部は「連敗で雰囲気は悪い。来年は4月に統一地方選、衆院沖縄3区補選もある。このままじゃ戦えない」と漏らす。
国会で与野党が対立していても、地方議会では野党系会派も含め「オール与党化」し、首長選も与野党相乗りになる傾向がある。ただ、県庁所在地は一般的に無党派層や野党支持者が多く、市長選で与野党対決の構図になるケースがある。
その県都の市長選で、自民党が苦杯をなめるケースは少なくない。
今年1月の岐阜市長選では、元民主党衆院議員の柴橋正直氏が、自公両党が推薦した候補にダブルスコアを付け、新人7人の争いを制して初当選を果たした。
野田聖子総務相(当時)の地元でもある保守の牙城の同市長選で与党系候補が敗れたのは16年ぶりだった。
昨年7月の仙台市長選でも、引退を表明した前市長の支援を受けて臨んだ自公両党の推薦候補が、共産、社民など野党4党の支援を受けた郡和子元民進党衆院議員に敗れた。宮城県では28年の参院選でも、共産や社民各党などと共闘した民進党候補が1人区を制し、野党共闘が連勝している。
28日には新潟市長選が投開票される。自民党は候補者を一本化できず分裂選挙となったのに対し、野党各党は特定候補の支援でまとまった。
同市長選は自民党本部が新体制になって直接関わる初めての選挙で、選対幹部は「県庁所在地の選挙は党勢の一つのバロメーターだ」と語る。来年夏の参院選に向けた野党共闘の有効性を占う戦いともなっており、甘利氏は「全力を挙げる」と表情を引き締めた。(千葉倫之、今仲信博)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181022-00000528-san-pol
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