いわゆる「ノーベル賞シーズン」の10月上旬が過ぎ、各分野のノーベル賞受賞者が発表された。女性差別に対する批判と反省という世界的な雰囲気が反映されたのか、
今年は3つの分野で女性がノーベル賞を受賞することになった。特に女性の受賞者が極めて少なかった物理学賞と化学賞にも女性科学者が含まれ、目を引いた。
しかし科学分野のノーベル賞は長い歳月が流れながら大きく変化した今日の科学技術研究現況を十分に反映していない、という批判が依然として続いている。まず3人まで共同受賞が認められるという規定に問題が提起される。
現代科学技術の特徴の一つ、いわゆる「巨大科学(Big Science)」が出現し、数百人以上の科学者が共同でする研究が多いが、3人に限られた科学者個人に賞を授与するというのは不合理と考えられる。
しかし機関や団体にも科学分野のノーベル賞を授賞する場合、欧州粒子物理研究所(CERN)のような巨大な研究機関または著名大学の研究団が順に受賞して科学者個人の機会を大きく減らすため、ノーベル賞制度自体の意味が薄れるおそれがある。
また、医学生理学賞、物理学賞、化学賞の3つの分野に分かれたノーベル科学賞が新しい科学技術の出現および学問分野の融合という時代的な要請に応じていないという批判も妥当と考えられる。21世紀に入って変化があり
、特にノーベル物理学賞は情報通信革命と科学技術の融合などを反映したのか、厳密な意味の物理学的な業績と見なしがたい工学と技術的業績にも賞を授与している。
すなわち、2000年、2009年と2014年にノーベル物理学賞を排出した集積回路(IC)、光ファイバーおよび青色発光ダイオード(LED)などはすべて電気工学者の業績であり、以前ならノーベル物理学賞を受賞するのは難しかったはずだ。
もちろん地球環境科学や人工知能、コンピューター科学などの功労者に授与するのに適したノーベル賞分野は依然としてない。
1960年代にノーベル経済学賞を新設した事例のように、仮称「ノーベル総合科学技術賞」分野を新しく制定して運営するのはどうだろうか。
チェ・ソンウ/科学評論家
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181029-00000028-cnippou-kr
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