正露丸の製造販売元である大幸薬品(大阪府、柴田高社長)は2014年、アニサキスの活動を抑える効果があるとし、正露丸の主成分・木クレオソートの活用に関する特許を取得した。大きな波紋を呼んだ昨年のアニサキス騒動。水産業界内では「騒ぎすぎ」との声が大半を占める中、「正露丸をのめば大丈夫」と言う業界関係者もいる。
木クレオソートはアニサキス症用薬剤としては「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)で認められていないため、用途として表向きにはうたえない。ただ活用に関する特許は取得している。
木クレオソートは、ブナやマツなどの原木から得た木タールを精製した液体。腸内細菌のバランスに影響を及ぼすことなく、腸の調子を整えることができる。同社は木クレオソートについて、アニサキス症の予防・症状改善のための薬剤としての活用に関する特許(特許第5614801号)を取得している。
特許には、木クレオソートを用いたアニサキス症回復例を明示。関本貢嗣氏ら「木クレオソート含有医薬品(正露丸)が効果を示したアニサキス症の2症例」(”ドイツ医学誌Hepato-Gastroenterology vol.58“に掲載)によると、アニサキス症が疑われた患者が服用すると、鋭い腹痛は1~2分で消失した。患者から動きがないアニサキス幼虫が見つかり、アニサキス症と診断。処方箋なく回復した。
木クレオソートには、食事中または食後の服用で、症状が軽減されたり、起こさなかったりと、アニサキス症の発症予防を期待する報告もある。
胃アニサキス症などを発症して内視鏡摘出が必要になった場合に木クレオソートを含む正露丸を服用すると、アニサキスの動きが鈍くなって痛みが和らぐ他、摘出が容易になる。
正露丸の薬機法上の効能は、軟便、下痢、食あたり、水あたり、吐き下し、くだり腹、消化不良による下痢、むし歯痛。同社は、用法用量通りの服用、様子を見て医療機関での受診を勧める。
[みなと新聞2018年7月9日付の記事を再構成]
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180709-00010000-minatos-bus_all
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