直近の有効求人倍率が44年ぶりの高水準を記録するなど、空前の売り手市場となっている転職事情だが、仮に内定を取ったとしても、すんなり転職できるかは別の話かもしれない。特に日本の男性は、今でも「一家の大黒柱」的に働くケースが少なくない。住宅ローンや子どもの学費を背負っていると、家族からの反対という「転職ブロック」に陥るケースも。
「転職を事後報告」して離婚に
東京都に住む藤原圭太さん(仮名、49)は、経営層を対象にした転職コンサルタントとして働いている。自身も5回以上の転職を経験した、まさに転職の“プロ”だ。しかし、そんな藤原さんには、ある苦い思い出がある。
藤原さんは大学卒業後、新卒で銀行に入社。約6年間勤めたのち退社し、キャリアアップのためにアメリカの大学に留学した。当時は結婚もしていたが、妻も自身のキャリアのために日本を離れるわけにいかず、単身渡米。留学を終え帰国すると、あるIT企業の株価がグンと上がっていることに気がついた。
ちょうど仕事を探していたこともあり、「半分冷やかしで」(藤原さん)採用試験を受けに行くと、すぐに内定が出たという。ストックオプションもあり条件も良かったため、即決。新たな勤務先は留学前に妻と共に住んでいた地域から離れた場所にあったが、
当時は妻もフリーランスとして自宅で働ける環境だったため、妻を呼び寄せ、再び一緒に暮らし始めることに。しかし、順風満帆に思えた結婚生活は、それから数カ月も続かなった。
もう妻は、我慢の限界だったのだ。
「妻が実家に帰ってしまいました。実は新しく就職する会社について、妻に事前に相談していなかったんです。『なんで勝手に決めるの?』と何度も言われました。引っ越しが必要になって環境も変わるので、そりゃ怒りますよね。銀行を辞めて留学するのもほとんど事後報告だったので、いろんなことが溜まっていたんだと思います。私が悪かったんです」(藤原さん)
そして、2人は離婚。
その後、藤原さんはITベンチャーやベンチャーキャピタルなど複数の転職を繰り返していく。仕事の決め手はただ一つ、「やりがい」だ。新規事業の立ち上げ時は会社に寝泊まりするほど、仕事に没頭していった。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180810-00010000-binsider-bus_all
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