西日本豪雨の影響で、瀬戸内海に大量の流木や災害がれきなどのごみが流れ込んでいる。豪雨後、四国、中国両地方整備局が回収した「漂流ごみ」は計約1450立方メートルと例年の年間回収量の4割を超えた。漂流ごみが船の航行を妨げて一部の定期航路で欠航が出ているほか、漁業や環境への影響も出ている。漂流ごみは流木やアシが多いが、中には土石流や河川の氾濫で流されたとみられるドラム缶やコンテナ、冷蔵庫などの大型家電などもある。17日までの回収量は愛媛、香川両県沖などで約1050立方メートル、広島県沖などで約400立方メートルと、10トントラックで運べば計約220台分に上る。
両整備局によると、今も河川からの流木などの流入は続き、漂流ごみの全容は分かっていないのが現状だ。
漂流ごみの影響は、各方面で出ている。土生(はぶ)商船グループ(広島県尾道市)は、広島県の竹原市と大崎上島などをつなぐ高速船について、主に夜間の運航を7日から見合わせている。
ごみがプロペラに絡まったり、船体を破損したりする恐れがあるためで、すでに高速船1隻のプロペラが損傷して修理中だという。
愛媛県大洲(おおず)市の沿岸部では、肱(ひじ)川が上流で氾濫した影響でごみが海に流れ出し、底引き網にごみが掛かって破れる被害も出ている。
兵庫県赤穂市では、漂着するごみなどの影響で16日に予定していた福浦海水浴場と赤穂唐船サンビーチの海開きを見合わせた。このほか、各地の海水浴場に流木などが大量に漂着し、撤去作業などが行われている。
漂流・漂着ごみの問題に詳しい九州大の磯辺篤彦教授(海洋物理学)は「瀬戸内海の水がほぼ入れ替わるのには1年あまりかかるとされ、その間、漂流ごみは滞留し続けるだろう。水質への影響も現段階では予測が難しく、長期間にわたって監視を続けなければいけない」と話している。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180719-00050052-yom-bus_all
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