世界のスマートフォン出荷台数(米調査会社IDC調べ)で、長らく続いていたサムスン、アップルの二強体制がついに崩れた。2018年4月~6月の四半期でアップルを抜いて初めて2位に浮上したのは、中国の通信機器大手、ファーウェイ(華為技術)。グローバル市場における中国IT企業の存在感が高まる中、その先駆者的存在のファーウェイは2005年に日本法人ファーウェイ・ジャパンを設立、2017年には「新卒初任給40万円」の求人情報も話題になった。
だが、ファーウェイ・ジャパンが中国企業として唯一日本経団連に加盟していることや、日本に社員が約1000人もいることなど、会社の中身はあまり知られていない。「謎の企業」のベールをはがすべく、3人の日本人社員を取材した。
【新卒一期生:周囲に「稼いでるんだろうと冷やかされます」】
「昨年あたりから、社外の友達に会うといろいろ言われますね。稼いでいるんだろうって」ファーウェイ・ジャパンの新卒一期生として2013年に入社した森彩人(31)さんは、苦笑した。
「入社時は尖閣諸島問題で日中関係が悪かったので、親や友人に心配されました。今はスマホのおかげで知名度も上がったし、給料の高さが話題になったりして、周囲の反応はだいぶ変わりました」
森さん自身、在籍していた芝浦工業大学大学院の研究室をファーウェイの採用担当者が訪れるまで、同社の名前を聞いたこともなかったという。
しかし話を聞くうちに、「自分の研究分野がファーウェイの事業領域に近くて、しかも自分が将来的にやりたいと思っていた研究を、ファーウェイは既に始めていました。人々の生活を支えるインフラを手掛けている点にも惹かれました」
今ほどではないにしても、森さんの初任給も一般的な日系企業より高めだった。だが、「当時は給料はほとんど意識していませんでした。やりたいことをやれるという期待の方が大きかった」という。
部門長の6割が1985年以降の生まれ
心配されながら、そして自身も若干の不安を抱えての入社だったが、「入ってみたら心配するようなことは何もなかった」。一方で、早い時期に独り立ちを求められているのは強く感じた。「研修を終えて1カ月ほどは、先輩について顧客対応を学びました。でも、『もう1カ月経ったから大丈夫だよね』と突然一人になりました。お客様が自分のことを頼りなく思っているのも伝わってきて、落ち込むことも多かったですが、そのうち開き直りました。落ち込んでも解決にならないから勉強するしかないって」
ファーウェイは部門長の60%が1985年以降生まれ、海外拠点の責任者の41%は1980年代生まれだ(2016年時点)。森さんも2020年に商用化が予定される5G(第5世代移動通信システム)プロジェクトの1つで技術側の責任者を務める。7月は上海で約50カ国の拠点の技術者とともに研修に参加し、8月に帰国したばかりだという。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00010001-binsider-bus_all
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