好調なスポーツ用多目的車(SUV)の需要を取り込もうと、国内外の自動車メーカーが新型車を相次いで投入している。ホンダは「CR-V」を2年ぶりに復活させて31日に発売、トヨタ自動車も来春に「RAV4」を再投入する。子育てを終えた世代のミニバンからの乗り換えも追い風となっていて、顧客争奪戦が激化しそうだ。
5代目となるCR-Vは室内空間を広げ、ガソリン車には7人乗りの3列シート仕様も設定。月1200台の販売を目指す。11月に発売するハイブリッド車(HV)には、発電用と駆動用の2つのモーターを組み合わせて力強い走りと低燃費を両立する独自システムも搭載した。
ホンダは人気のあるSUV「ヴェゼル」に集中するために平成28年8月にCR-Vの販売を終了したが、サイズが大きい上級モデルを求める声が出ていた。国内事業を統括する寺谷公良執行役員は、「2つの商品を両輪に国内市場で戦いたい」と意欲を示す。
背景にあるのはSUV市場の急拡大だ。日本自動車販売協会連合会によると、25年まで20万台前後で推移したSUVの販売台数は29年に2倍以上の約46万台に到達。乗用車販売に占めるSUVの比率も拡大した。
ライバル各社の鼻息も荒い。トヨタ自動車も来春、17年発売の3代目を最後に国内販売を終えたRAV4を復活。米国のSUV販売台数で昨年、首位を獲得しており、国内市場開拓に弾みをつける。
SUBARU(スバル)も新型「フォレスター」のガソリン車を7月に発売。発売1カ月後の今月19日時点で約1万台を受注、月販目標2500台の約4倍と好調だ。
SUVは「悪路でも走りやすいオフロード車」というイメージが強かったが、市場拡大に伴い消費者のニーズが多様化。高い燃費性能や都会的なデザインを兼ね備えた車を求める顧客が増えている。
「SUV市場がもう一段拡大すれば競争が熾烈(しれつ)になると覚悟している」と寺谷氏。先進技術とブランド力で個性をいかに際立たせるかが、需要開拓で勝負の分かれ目となりそうだ。(臼井慎太郎)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180830-00000597-san-bus_all
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