近年のハイボールブームやNHK連続テレビ小説「マッサン」の人気もあって、国産ウイスキーの出荷量が6年連続で増加中だという。
そんな中、全国で新規蒸溜所の設立が相次いでいる。小さな規模で各地の風土を生かした個性的なウイスキーを造る、いわゆる“クラフトディスティラリー”だ。
国産ウイスキーは相次いで世界的な賞を受賞したこともあって、海外での評価も高まっている。人気ゆえに原酒不足となり、今年5月にはサントリーの主力製品「白州12年」「響17年」の販売休止が判明したほど。しかし悲観ばかりすることもない。2016年以降、北海道から鹿児島県まで全国に新たな蒸溜所が建設され、すでに蒸溜を開始しているのだ。
毎年多くのウイスキーファンが集う「Whisky Festival in OSAKA(主催:ウイスキー文化研究所)」でも新規蒸溜所の出展が目立った。6月に開催された同イベントは今年で7回目。過去最多となる62ブースが出展し、
昨年を上回る3000名を集客した。各ブースでは世界中のウイスキーを試飲(一部有料)できるほか、フードの販売やテイスティング付きセミナーがある。
会場は熱気に包まれたが、特に多くの関心を集めたのが、新規蒸溜所の試飲アイテムだ。北海道の厚岸蒸溜所(堅展実業株式会社)やガイアフロー静岡蒸溜所(ガイアフローディスティリング株式会社)、
滋賀県の長濱蒸溜所(長濱浪漫ビール株式会社)、福島県の安積蒸溜所(笹の川酒造株式会社)、嘉之助蒸溜所(小正醸造株式会社)などが、樽詰め前のニューポットと呼ばれるウイスキー原酒や、数カ月だけ熟成させた商品をお披露目した。
通常、スコッチウイスキーは樽で3年以上熟成させるが、熟成前の原酒を口にして、3年後、5年後の香りや味わいを想像することもウイスキーファンの楽しみだ。
8月発売予定の商品「厚岸NEW BORN FOUNDATIONS2」を試飲提供していた厚岸蒸溜所のクラフトマンは「ピーティーで華やかな香りもあると大好評でした。何度も並んで“おかわり”をしてくださるお客さまも複数いらっしゃったので、確かな手応えを感じました」と話す。
また「今までよりもジャパニーズウイスキーとしての高い品質が求められる状況になってきていると感じます。今後も品質を高める努力を続けていきます」とさらなる高みを目指すことを誓っていた。
クラフトディスティラリーの台頭で、ジャパニーズウイスキーの魅力が深まったことは間違いない。全国各地の樽の中で静かに眠るウイスキーのお披露目が楽しみだ。(デイリースポーツ特約記者・山王かおり)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180713-00000068-dal-life
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