スポーツ庁が旗振り役となり、スニーカー通勤を普及させようとしている。歩くことを通じて健康増進を図るというのが目的のようだ。スーツにスニーカーは合わないと思われてきたが、最近では一見、革靴のようなスニーカーも登場し、見た目の違和感は減りつつある。
スニーカー通勤はクールビズのように市民権を得るのか。ファッションスタイリストの大山旬さんに語ってもらった。(聞き手・メディア局編集部次長 田口栄一)
目次
■カジュアルと堅いもの、難しい組み合わせ
ファッションというものを考えた時に、カジュアル、部屋着に近いようなものと、堅いもの、この両極があると思います。その中でスニーカーは圧倒的にカジュアル寄りのアイテムで、スーツは一番クラシックで堅いものと言えます。
対極同士にあるものは相性がよくないし、(ビジネスなどの場面で)見栄えの問題も生じます。ただ、スニーカーにはカジュアルなものと、きれいめのものがあって、選び方次第で印象はだいぶ違います。
スニーカーでもランニングやウォーキング用でスポーツブランドのロゴが入っているもの、色が派手なもの、こういうものはカジュアルだと思います。一方で、きれいめのものもあって、最近、増えているのは、例えば色は黒やブラウンで、見た目はビジネス用の革靴と同じだけど、実はスニーカーというものです。
クールビズが浸透し、靴も少しラフなものを取り入れてもいいのではないかという世の中の流れを踏まえた上で、きれいめに見えてスーツにも合いそうなスニーカーなら、違和感はないと思っています。
■通勤向けのスニーカー、続々と登場
きれいめのスニーカーで言うと、例えば、UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)が作ったドレススニーカーという商品があります。上が革靴で、ソールの部分がスニーカーと同じような感じになっています。こういうものであれば、スーツと合わせても全く問題ありません。スニーカーの中でも、まず、こぎれいなものから選びましょうというのが私からの提案です。
同じような商品はスポーツブランドも結構出していて、その先駆けがアシックス商事の出しているtexcy luxe(テクシーリュクス)というシリーズです。スポーツブランドで培った履きやすさをビジネスシューズに取り入れています。
ソールの部分がスニーカーのようで、反り返りがすごくあり、中にはかなりクッションも入っているので、履いた感じは完全にスニーカーです。
■スニーカーが似合う基準とは
私はビジネス街を歩く人たちをずっと観察していますが、スーツにスニーカーを合わせている人はほとんど見かけません。ただ、先ほど提案したような「見た目は革靴だけどスニーカー」という靴を履いている人はいるかもしれません。
スニーカーが合うか合わないか、ポイントはネクタイだと思います。カジュアルな服装が認められる職場が増えている中で、ドレスコードとしてネクタイを求められるということは、決して緩くはないということです。そういう職場でいきなりスニーカーが推奨されることはないと思います。
クールビズもそうですね。いまだに夏でもネクタイをしたままの職場はたくさんあります。そういう人たちが今も残っているのと同じように、ネクタイ着用の職場の人はこれから10年先でも革靴を履いている気がします。
ビジネスは相手ありきの世界なので、変に目立たない、浮かないことも重要です。ネクタイ着用の職場では、革靴に見えるスニーカーが限界でしょう。逆に、カジュアルな服装が許される職場なら、スニーカーでも合うのではないかと思います。
■上手な組み合わせのポイント
スーツは伝統のあるものなので、ルールが明確です。合わせる靴は黒かブラウン系の革靴、それぐらいしかありません。そこから逸脱すると、かなりの違和感を持たれてしまいます。ビジネスの場では「この人、どうしちゃったのだろう」と思われて、それだけでマイナスになってしまいます。
ネクタイが必要な職場では、人に違和感をもたれないような、革靴に見えるスニーカーにとどめておくのが無難です。
逆にネクタイなしの職場であれば、スーツには絶対合わない白のシンプルなスニーカーでも意外と合います。
クールビズなら選択肢は相当広いと思います。先ほど言ったようなビジネスシューズに見えるスニーカーもOKですし、他にも革素材でブランドのロゴが大きく描かれていないようなプレーンなスニーカー、レザースニーカーはすごく合います。
レザースニーカーであれば、色は黒以外、白でも大丈夫です。とにかくデザインはシンプルに、というのがポイントです。
そういう時に着る服は、ビジネスカジュアルのようなものになります。ネイビーのジャケットにベージュのチノパンだとか、グレー系のパンツとの相性は抜群です。ネイビーのパンツに白い靴という組み合わせもいいと思います。上に何も羽織らない時は、シャツとパンツにスニーカーもありです。
■職場のファッションは二極化に向かう
私はもう革靴をあまり履かなくなりました。ほとんどスニーカーです。ビジネスカジュアルでジャケットを羽織るぐらいであれば、今までは革靴を合わせる人が多かったのですが、最近はシンプルなレザースニーカーの人がだいぶ増えてきています。
これからはスニーカー通勤やクールビズをどんどん取り入れていく層が少しずつ増え、クラシックなスーツスタイルが減っていくのだと思います。逆にそういう中で、びしっとスーツを着るのはかえって素敵(すてき)に見えたりするので、要は二極化ではないでしょうか。
クールビズなどそれまで全然、見慣れていなかったものでも、採用する人が増えるにつれて、これもありなのだとわかってもらえるようになりました。何事も浸透するには少し時間が必要です。
今は本当にファッションが好きでおしゃれな人が、うまくスニーカーをビジネスに取り入れながらやっていますが、アパレル大手の扱いが増えると一気に広がりが出てくると思います。それまであと2、3年ではないでしょうか。
プロフィル
大山 旬(おおやま・しゅん) ファッションスタイリスト。SO styling代表。アパレルでの販売などを経て2009年5月に独立。一般の人を対象にしたファッションコーディネートのアドバイスを行う。スタイリングを担当した顧客は3000人以上。
ファッション学習サイト「メンズファッションスクール」を主宰し、ネット上の情報発信にも力を入れている。著書に『ユニクロ9割で超速おしゃれ』(17年、大和書房)、『おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」』(16年、同)などがある。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180411-00050080-yomonline-life
みんなのコメント
俺はカジュアルでも革靴履くけど。
なんかおかしいのか?
ビジネスにスニーカー履くのは別に構わないけど、バカにしか見えない。
スーツは国民服か。
今だに、夏場でもネクタイ着用のとこがあるんだね。とっととそんな就業規則やめればいいのに。
そもそも服装などは、よっぽど変な格好をしてない限りどうでもいいんだが。そんなことよりも、臭いとか清潔感とかのが気になるわ。
駅とかに集団で集まっていると…
先生達か警察官です。
歩くことで健康増進したいならスーツでなくてスポーツウェアに変えてかないとね。クールビズにもなりそうだ。
アメリカ西海岸の社会人はみんな大学生みたいな格好で働いてるよ。
スーツでなきゃいかんと古い風土や体質を作ってるのはアタマでっかちの経営層だし。
変化を恐れて柔軟な発想もできない世代。
身だしなみは大事だけどもうちょっと力抜いてもいいんじゃないかな
肩の落ちた、Tシャツやボタンダウンシャツを合わせてもサマになるスーツだとスニーカーが合う。
日本人て未だにここを理解してない人が多いから、こんな記事が出る。
ハイテクもローテクも、普通のスーツでは
合わんわ。
30年前ににタイムスリップしてどうする。
もうひと工夫、ひと捻りお願いします。
発電できる靴で、電車に乗っている間に床から売電でき
電子マネーに勝手に入金されるとか。
ほっとけばいいよ。
結局、金儲けしたいやつが騒いでるだけなんだから。
隙なくスーツを決めると高揚感もあり仕事するにも気持ちが入ります。ビジネスという戦場に向かうにあたり「勝つ」という強い気持ちにしてくれます。まぁ少し大げさですが(笑)
さて、ここからですが、私はスーツが好きですがそれは仕事柄とも関係します。なので職種によって正直スーツなど不要な職種もたくさんあると思います。
スニーカーはくくらいならスーツ着なくて良いと思います。
スーツは色んな決まりやマナーがあります。スーツ着るならキチンと着て欲しい。
靴をスニーカーでOKとするなら、スーツ着用など無意味だと思います。
会社ついたら履き替える。
足むれ、むくみ段違い。
常にビジネスシューズなんてありえない。
最悪徒歩で帰宅考えてみなさん、スニーカーにチェンジしましょう。
それに敢えてスニーカーでなくても、ウォーキングシューズなら尚のこと気にならなくなりますよ。
結局、相手の業界や年齢等々、TPOに合わせて、スタイルを変えればいいと私は思います。
既にITベンチャーなどではスーツを着ない経営者、営業も珍しくはなくなってきました。
銀行など硬い職業はそうはいきません、という反論もあるかもしれませんが、3.40年前はあり得なかった、スーツにリュックも普通に見られる時代です。
今後の働き方についても、新卒がみんな同じリクルートスーツに押し込められる現象に疑問を唱える方も多いですよね。
私服には着崩しがあり得るのに、スーツは基本に忠実なのがおしゃれなのだそうですが、「普通」「みんなと同じ」を目指すことがリスクで、他人と違うことが価値だとされるのが未来だと仮定すると、スーツにスニーカーでもいいし、むしろスーツじゃなくてもいい、となるかもしれません。
今後のオフィスファッションに自由度を与えてくれたという点では意味があるかもしれません。
なんだかんだ言っても、足元にも目が及びますから。
いつの記事かと思った。