全国的な猛暑で、ビールや清涼飲料水、エアコンなどの販売が急増している。涼しさを求めたプールの来場者なども増えており、この夏の家計消費を押し上げそうだ。暑さはしばらく続く見込みで、企業は増産を急ぐなど需要取り込みに懸命だ。
キリングループは需要の急増を見込み、ビール「一番搾り」などを昨年に比べ1~4割増産する計画。
塩分を補給できる清涼飲料水「世界のキッチンからソルティライチ」の7月の販売量は23日現在で前年比で約2割増えたという。
サントリー食品インターナショナルも7~8月、茶やスポーツドリンクなどを例年より15%増産して需要の高まりに備える。
家電量販店も好調ぶりを見せる。ビックカメラではエアコンの売り上げが前年同期より6~7割ほど伸びているという。家庭でかき氷を作る器具なども売れており、担当者は「7月の3連休と比べても売れ行きが加速している」と手応えを語る。
ケーズホールディングスでは22日までの1週間に、エアコンや扇風機が前年より6~8割多く売れた。各社とも顧客の急増でエアコンの設置工事の手配に苦労しており、「なるべく早くできるよう努力したい」(ケーズ)と対応に追われている。
汗に対処する品物も売れている。ライオンでは、洗濯関連品需要の高まりで液体洗剤や柔軟剤の出荷が前年より1~2割ほど増えた。脇に塗る制汗剤なども好調という。
暑さをしのぐ「涼」を提供するレジャー施設もにぎわっている。屋外プールがある「としまえん」(東京)では、7月の入場者数が22日現在で6万5000人と前年より2割弱増えた。
屋外は熱中症の心配もあるが、「来場者に水分補給を促すなど対策を念入りにしている」と注意を払う。
空調の利いた屋内型アトラクション施設「東京ジョイポリス」(同)でも昨年より2~3%ほど来場者が多いという。担当者は「今後も暑くなりそうで、涼しい施設への来客増加が期待できる」と意気込む。
猛暑では一般的に個人消費が活発化するとされている。第一生命経済研究所の試算では、7~9月の平均気温が1度上昇すると同時期の家計消費支出が約2884億円押し上げられる。
ただ、同研究所の永浜利広首席エコノミストは「猛暑による野菜の不作や高騰なども想定され、秋以降に猛暑の効果が反動するリスクがある」と指摘する。【竹地広憲、藤渕志保】
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180723-00000088-mai-bus_all
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