1ヶ月で3回の動画公開の理由
シリアで3年前から行方不明となっているフリージャーナリスト安田純平さんの新たな映像がネット上に公開された。
映像中で安田さんは、「私の名前はウマルです。韓国人です。今日の日付は2018年7月25日、とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください」と日本語で語っている。
この内容が不可解であるとして様々な憶測をよんだものの、1日に菅官房長官が日本政府もこれを安田さん本人と認定していると述べた。
安田さんの映像が公開されたのは、ここ一ヶ月のうちで三度目になる。
一度目は7月初旬で、この時の動画は半年以上前に撮影されたものだった。
二度目は7月中旬で、この時の動画は一ヶ月前の6月12日に撮影されたものだった。
そして今回公開されたのが一週間前の7月25日に撮影された動画である。ここ一ヶ月で矢継ぎ早に安田さんの動画が公開された理由を考えるためには、現在のシリア情勢を理解する必要がある。
狙われたイドリブ県
シリア政府軍は今年に入ってから攻勢を強めて支配領域を大幅に広げ、イスラム国支配地域をほぼ奪還し、反体制派支配地域も主だったところはイドリブ県を残すのみとなっている。このイドリブに関しても、政府軍は近日中に奪還を目指して総攻撃をかけるとみられており、現在ロシア軍主導でイドリブから市民を避難させるプロセスが進められている。
実は安田さんを拘束しているとみられる武装勢力が拠点としているのが、このイドリブなのだ。
この武装勢力については当初、アルカイダ系のヌスラ戦線とみられていた。しかし内戦の最中にヌスラ戦線は解体され、他の反体制派を取り込むかたちでHTSという武装連合が結成された。一方で、ヌスラ戦線のメンバーのうちシリアのアルカイダを再結成しようという人々を中心に、新たにフッラース・ディーンという武装組織も結成された。
安田さんの消息を知るとされ、日本メディアにしばしば接触してくるシリア人活動家(仮にAとしておく)によると、現在安田さんを拘束しているのは後者、即ちフッラース・ディーンのようだ。
Aは同組織が安田さん解放と引き換えに要求しているのは身代金であり、要求額は150万ドルであると述べた。
そしてAは同組織に伝手があるため、身代金を50万ドルにまで値下げさせることができるとも述べた。引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180801-00010011-fnnprimev-int
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