障害のある子どもの発達支援や居場所づくりを目的に、2012年からスタートした放課後等デイサービス=略して「放課後デイ」。いわば障害のある子ども達の「学童保育」のような存在なのですが、この放課後デイがいま存続の危機にさらされています。
障害のある子が放課後過ごす場所
夏休みが始まった先月24日、職員が1軒1軒家をまわって障害がある子どもたちを迎えにいきます。向かった先は、住宅街のビルの一室にある放課後デイサービス『ほっとスペース あん』。
この日は、小学2年生から高校3年生までの9人がやってきました。障害があると学校で自ら約束して友達と遊びに行くことが難しく、学童保育や習い事にも受け入れてもらえないこともあるため、障害のある子どもたちの発達支援や居場所づくりを目的に2012年、
「放課後デイ」が制度化されました。ここでは学校のある平日は夕方5時までですが、土曜日や夏休みは朝から夕方まで預かります。利用料は1割負担で1回1000円弱。残り9割を国と自治体でまかないます。
「家じゃあんまり行けない場所にも行けるのが楽しい」(高校3年生・男性)
「家でいるとゲームとかなので、ここに友達がいて仲良く遊べるので」(高校3年生・男性)この放課後デイを運営しているのは安藤長さん(68)は長年、岸和田市の福祉課に勤務していましたが、障害のある子どもたちが放課後を過ごす場所に悩む姿を見かねて12年前、この場所を立ち上げました。しかしいま岐路に立たされています。
「辞めるのは簡単だけど、守っていくことをしたい」(“ほっとスペースあん”を運営するNPO法人・理事長 安藤長さん)
事業報酬の改定で減収に
原因は今年4月に厚生労働省が行った事業報酬の改定でした。この報酬の見直しにより、大幅に減収する事業者が続出しているのです。
厚生労働省は、障害の重い子どもの数が半数以上いる事業所を「区分1」、逆に障害の重い子どもの数が半数以下で比較的軽度の子どもたちが通う事業所を「区分2」と設定。
基本報酬の引き下げにより「区分1」で3から4%、「区分2」では10から12%の減額になると試算されています。
安藤さんが運営する「ほっとスペースあん」は「区分2」となり、昨年よりも報酬が10パーセント減収する見込みとなりました。
「障害者にとって居場所が1つ減っていくということになる。ぜひ基本的な報酬をもと通りに戻して欲しい」(安藤さん)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-10000001-mbsnews-l27
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