【アーカイブ:内容は2018年1月3日の初出時点のものです】平成に入り、子育てを夫がする「イクメン」が少しずつ浸透してきました。残業を減らす働き方改革も進んでいます。それなのに、まっすぐ帰宅をせずにファミリーレストランなどで時間を潰す家族持ちの男性会社員がいます。
その名も「フラリーマン」。家庭では妻や子どもが待っているのに、「どうしても足が家に向かない」。つかの間の息抜きを求める、パパたちの思いは。(朝日新聞記者・山内深紗子、中井なつみ)
ファミレスにひとり、またひとり
昨年12月上旬の夕暮れ。すでに日は落ち、東京駅にほど近いオフィス街は寒気に包まれていた。
目抜き通りの交差点にあるファミリーレストランでは、クリスマスソングが流れるなか、勉強する学生やパフェをほおばる女子生徒ら40人ほどの客でにぎわっていた。そこへサラリーマンがひとり、またひとりと店に入ってくる。午後8時すぎまでに、8人を数えた。
午後5時すぎに入ってきたのは不動産会社の社員(45)。席に着き、顧客5人に電話をかけて営業をすませると、インターネットゲームを始めた。
別の席には、商社勤めの男性(45)。ハイボールと「おひとりさま用生ハムサラダ」を注文し、ちびちび飲み始めた。
働き方改革で5時半退社も「足が家に向かない」
午後6時すぎ、会社員の男性(37)が入店し、コーヒーを注文した。200円でおかわりを自由にできる。いつもの一杯だ。
スマートフォンを取り出し、素早く妻(35)にLINE(ライン)でメッセージを送る。
「今日も残業。がんばります!」
すぐに既読にはならない。子どもたちの相手をしながら、食事の支度に忙しくしているであろう妻の姿が浮かんだ。送信後、歴史小説を読みふけり始めた。
この春から勤め先の「働き方改革」で、毎週1回は午後5時半に退社できるようになった。その日を含めて週1、2回は早く帰れるが、ファミレスや書店で時間をつぶし、自宅に戻るのは午後9時すぎだ。
「どうしても足が家に向かない。僕はフラリーマンです」
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-00010002-asahit-soci
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