皇太子さまの新天皇即位が来年5月1日に迫る中、「平成」の次の元号の具体的な公表時期がなかなか決まらない。
政府は国民生活に混乱を生じさせないよう皇位継承1カ月前の公表を念頭に準備を進めているが、保守派が5月1日に公表すべきだと強く主張しているためだ。
保守層を支持基盤とする安倍晋三首相は自民党総裁選への影響を避けるため、結論を当面先送りする方針だ。
元号は政令で定め、皇位継承があった場合に限り改めることが元号法に記されており、内閣が政令を閣議決定し、天皇が公布する。
政府は皇位継承前の新元号決定に法的な問題はないとの認識だ。昨年、退位特例法が成立した際の付帯決議は「改元に伴って国民生活に支障が生ずることがないようにする」と政府に求めている。
政府は付帯決議を根拠に地方自治体や企業の意見も聴いた上で今年5月、皇位継承1カ月前の公表を想定し、各省庁のシステム改修などの準備を進める方針を決めた。内閣官房関係者は「崩御を前提とした過去の代替わりと違い、国民は事前公表を織り込んでいる」と説明する。
一方、神社本庁の機関紙「神社新報」は6月25日付の論説で「本来『天皇の元号』たるべきことに鑑み、新天皇が御聴許の上、政令として公布され、公表される手続きを大事にすべきだ」との主張を展開した。
超党派議員でつくる「日本会議国会議員懇談会」が7月に開いた会合でも、出席者から「元号の意味や権威、伝統がどう検討されたか見えない」「皇太子殿下の関与がなくなる」などの意見が相次いだ。会長の古屋圭司衆院議院運営委員長は8月6日、菅義偉官房長官に「新元号は新天皇による公布をしてほしい」と申し入れた。
対応に苦慮する政府内では、折衷案として、新元号を仮決定・公表し、即位日に公布する二段階論が一時浮上した。しかし、「本決まりでないものを発表していいのか」との理由で白紙になったという。政府関係者は「総裁選が終わるまで元号の件は動かないだろう」とみている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00000022-jij-pol
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