編集長の渡辺です。
…大変なことが起きました。『マネ凸』5人目の取材にして、一気にラスボスにたどり着いてしまったかもしれません。
きっかけは、ダメ元で会社の問い合わせフォームから取材依頼をしたことでした。でもそんな連絡、普通なら無視かサクッとお断りじゃないですか。
正直、メールが返ってくることすら期待していなかったのですが…広報の方が熱心につないでくださった結果、想定外の超ビッグインタビューが実現することに。
そう、今回のお相手は今年8月に時価総額1兆円を突破したスタートトゥデイを率いる前澤社長。
バスキアの作品を約123億円(米国人アーティストの作品として史上最高額)で落札して世界にその名を轟かせたり、画期的な体型計測を可能にする採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」を発表してファッション業界に衝撃を与えるなど、規格外の話題を振りまいています。
日本を代表するファッション通販サイトを築き上げた前澤社長に単独取材をする機会をいただけるということで、間違っても加点を狙わない、空気のようなファッションでインタビューに臨みました。
渡辺:
今日は取材を受けていただき、ありがとうございます。ここが前澤さんの会議スペースなんですね。全面ガラス張りでエントランスからも丸見えなんで、失礼ながらはじめは喫煙室かなと思ってしまいました(笑)。
前澤さん:
たしかに(笑)。僕デスクもパソコンもないんで、オフィスに来るとここで会議しかしてないです。渡辺:
もはやスマホだけあれば十分という感じなんでしょうか?前澤さん:
はい。カバンもボールペンも持ってないですね。もう10年以上このスタイルです。渡辺:
今日は前澤さんのお金の価値観を聞きたいと思っているのですが、さっそく面白い話が聞けそうな期待感が高まっています(笑)。前澤さん:
何でも聞いてください。「いつもお金がない」報道は本当だった。どこまで行ってもキリのない物欲
渡辺:
前澤さんの資産のほとんどは経営する会社の株になると思いますが、読者が気になっているのはどちらかというと年間約35億円もある配当収入の使い道かなと。ちなみに、ネットで「前澤氏はいつもお金がない」みたいなエピソードが書かれている記事を見つけたんですが、これは本当なんでしょうか…?
前澤さん:
事実です。いっさい貯めないです。欲しいものがありすぎて、次から次へと買っちゃうんですよね。
渡辺:
さ、35億円が…前澤さん:
すぐなくなります。渡辺:
デマじゃなかったんですね…バスキアは話題になりましたが、ほかにはどんなものにお金を使うんでしょうか?
前澤さん:
最近は現代アート、骨董品、家具、あとは相変わらず車もいっぱい買ってます。将来住みたい場所に土地を買ったりもしますね。渡辺:
アートも土地も、運用目的で買っているわけではないんでしょうか?前澤さん:
はい。金融商品も不動産投資も、それこそ仮想通貨にもまったく興味がないです。
そんなことより自分の事業を頑張ったほうが増えるので。渡辺:
なるほど。では、購入した作品を売ったりすることもないということですか?前澤さん:
ありますけど、それは新しい作品が欲しいけどもう家に置けないから、泣く泣く売って入れ替えてるだけですね。キャピタルゲインを目的にしたことはないです。渡辺:
なるほど。そういえばこの連載の前回の取材で、堀江さんが「バスキアを買うことで前澤くんの名前は世界的に認知された。あれはZOZOが世界進出するためのうまいやり方だった」と言っていました。
そのような狙いはあったんでしょうか?
前澤さん:
そういう打算的なところはないですね。たまたまそうなっているだけです。渡辺:
堀江さんに言っておきます。ちなみに、「お金は貯めずに全部使ってしまう」というのは昔からですか?
前澤さん:
はい。いままで貯金したことはないかもしれないです。高校生の頃もバイト代はレコードや楽器につぎ込んでいました。渡辺:
経営者に話を聞いていると「もう物欲はない」と言う方が多いのですが、前澤さんからはまったくそんな感じがしないですね…前澤さん:
欲しいものがどんどん出てきます。よく「キリがない」といいますけど、自分の“キリ”がどこにあるのか見てみたいですね(笑)。
ワンミリオンドル単位で上がっていく“しびれる”オークション現場
渡辺:
興味本位で伺うのですが、あれだけの金額が動くアートのオークションってどのような雰囲気なんでしょうか?前澤さん:
ふつうにハンマーを持ったオークショニアが「どうだい?どうだい?」と言いながらオークションを進めて、落札者が決まったら「チン!」とやってますよ。渡辺:
よくテレビで見るやつだ。本当にそんな感じなんですね。前澤さん:
ニューヨークとロンドンで有名なオークションが年に2回ほどあるんですけど、僕は現地で作品を見て入札するかどうか決めて、入札の時期にはもう日本に戻ってきてしまうことが多いですね。渡辺:
そこからはどうするんですか?前澤さん:
金額の上限だけ決めて入札は代理人に頼むことが多いですが、電話口でリアルタイムにディーラーとやりとりしながらビッドすることもあります。渡辺:
電話口でビッド…バスキアもそんな感じで落札したんでしょうか?前澤さん:
はい。インターネットでも生中継してるので、それを見ながら電話をつないでビッドします。しびれますよ~。ワンミリオンドル単位で値段が上がっていきますから。
渡辺:
い、1億円ずつぅ!!!限界までお金を使ったときに味わえる体験が、明日の自分の成長につながる
渡辺:
前澤さんのお金の使い方のモットーを教えていただきたいです。前澤さん:
とにかく、いま自分が使える限界まで使う。使わないと衝動に駆られないんですよね。
渡辺:
限界まで…! なぜそこまで振り切った使い方をするのでしょうか?前澤さん:
10万円稼いでも1万円しか使わなかったら、自分が想像しうる体験しかできません。でも、10万円入ったその日に10万円全部使ったら、それはいままでにない体験になるじゃないですか。僕は、その体験が自分の成長の糧になるとずっと信じてます。もっとかっこよく言えば、限界までお金を使うことが明日の自分への投資になる。
渡辺:
少しずつ使っていても自分のスケールは変わらないと。前澤さん:
そうです。渡辺:
そう聞いて僕も限界まで使ってみたくなりましたが…無理です。ゼッタイ奥さんに怒られます。
前澤さん:
(笑)渡辺:
ちなみに、会社の若手社員の方にもお金のアドバイスをすることはありますか?前澤さん:
初任給や初めてのボーナスで何を買うかは君の人生にとってめちゃくちゃ重要だよ、ということを話したりはします。渡辺:
具体的に「こう使うべきだ」「こんなものを買うべきだ」みたいなことも話すんでしょうか?前澤さん:
「人と同じものを買わないほうがいいよ」とはよく言いますね。たとえば、初めてのボーナスでみんなが持ってそうな時計を買ったって何の自慢にもならないし、自分の成長にもつながらない。
だったら何を買うか。どう使ったらどうなるかを想像をして使ってみなと。
渡辺:
なるほど。それはモノであっても体験であってもよいとお考えですか?前澤さん:
はい。自分の趣味を突き詰めるために使ってもいいし、人を思いっきり喜ばせるために使ってもいいと思いますよ。たとえば、初めて手にしたボーナス50万円をすべて使って両親を旅行に連れて行ったら、そのあとの親子の関係性はどうなるか。そう考えると面白いじゃないですか。彼女に思いっきり50万円分のプレゼントをしてみるのもいい。
渡辺:
いきなりすべてのお金を人のために使ったら…たしかに何が起きるか予想できません。前澤さん:
とにかく、少しずつお金を使ってもたいした体験はできなくて、自分自身は何も変わらない。それなら一気に使って面白いを体験してみたら、とアドバイスしてます。
あと、そうやってお金を使うと、人に出会えるチャンスが増えたり、新しいコミュニティができたり、いろいろ新しいことが起こるんですよ。
渡辺:
なるほど。ちなみに、バスキアを買ったらどんなことが起きたんでしょうか?前澤さん:
わかりやすい出来事でいうと、レオナルド・ディカプリオから連絡がきましたね。渡辺:
それはヤバすぎる…実際に会ったんですか!?前澤さん:
はい、自宅に招待してくれました。彼もバスキアが大好きなので。渡辺:
バスキアパワー、おそるべし。ちなみに、先ほど「趣味を突き詰めるために使ってもいい」とおっしゃっていましたが…
前澤さん:
それもいいと思いますよ。自分も趣味が仕事に生きているタイプです。渡辺:
具体的にはどのように生きているんでしょうか?前澤さん:
たとえば、僕は車が好きなので、何億円もする車を何台も買います。最近もブガッティという3億円ぐらいする車を買いましたが、フランスの工場に何度も足を運んでデザイナーさんやエンジニアの方とお話をする機会があって、会社やモノづくりに対していろいろな想いを聞けました。これは、その辺のショールームで車を買っても絶対にできない体験です。
最近ZOZOTOWNでもプライベートブランド「ZOZO(ゾゾ)」を始めましたけど、そういう体験が自分のモノづくりにかける想いやモチベーションにつながっています。
渡辺:なるほど…! すごいスケールでつながっているんですね。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180516-00010000-srnijugo-life
みんなのコメント
だからどんどんお金が貯まってきてしまって、困ってます。
死ぬまでに使いきれない感じ。
最近はユニセフや交通遺児募金やホームレスや国境なき医師団なんかに寄付して消費してますけど。
だが俺は株とかETFに使いたいと思うがまちがっているのだろうか?
おい、おらのゾゾスーツ来ねぇけど?
ぶっ殺すぞ?
この人と交流すると、新しい価値観が自分の中に取り込まれるような気がする。
もちろん使える分はこの人のようには皆がある訳ではないし、貯金をやめることはできないけれど、お金に執着すると逆にお金に縛られてる自分に気づく。
ここまであっけらかんとした笑顔での言葉にドキッとさせられました。なかなかいい記事ですね!
最高の回だったと思います。
俺みたいになりたきゃ、ノウハウ覚えて出ていけよってことかな?
このままじゃ、社内で突出した人間は育たないんじゃない?
だが人による。
色々な意味で
人間的も魅力的な人だと思う。
成功してる人はやっぱり違う。
勝てば官軍、負ければ賊軍。成功したら全てが正論になる。
手取り20万の普通の人間が固定費払って、残った数万を一日で使いきっても得られる体験なんてほとんど無さそうだが。
私の身近に、持ってるお金をほとんど人のために使ってる人がいる。
彼女はお金を残さずに人生を終わるかもしれないけど、名前はずっと残るだろう。沢山の人からの感謝という贈り物付きで。
お金が生きる使い方。前澤さんが楽しく使うお金は社会に流通して誰かを潤してくれている。
金は天下のまわりもの。回せ、回せ!
こんなブサイクな男でも芸能人とヤリまくれる。
ケチくせー野郎だ。
成功者の話なんの役にも立たない説。
クソダメんなか這いずりまわってらみやがれ!
金は金を呼ぶけど、それに対する見方の問題なのかな。