日中は働いて、夜は家でまったり漫画を読んだりゲームをしたりして過ごす。新R25編集部・福田の日常はそんな感じなのですが、世の中にはちょっと変わった生活を送っている人もいるようです。今回のテーマは、「家に住まない男」。

渋谷のベンチャー企業に勤める市橋正太郎さん(31歳)に、以前から知り合いだったという編集長・渡辺がその実態について話を聞きました。

結論から言いますと、この生活、もしかしたら流行るかもしれません。

目次

「家のない暮らし」をしようと思ったキッカケは?

渡辺:
今家がない生活をしているらしいけど、どこで寝泊まりしてるの?

市橋:
Airbnbを利用することが多いですけど、あとはゲストハウスやビジネスホテル、宿泊できるスパなどを転々としてます。

渡辺:
泊まるとこはバラバラなんだね。その生活はいつから?

市橋:
2017年の12月末に賃貸を解約したので、もう4か月目に入りますね。それまでは月12万円で原宿のソーシャルアパートメントに住んでました。

渡辺:
今の職場は渋谷でしょ? アクセス的にも不自由ないと思うんだけど、そもそもなんで解約したの?

市橋:
去年の10月に転職して、年収が半分くらいになったんですよ。それでもっと家賃が安いところに引っ越そうと思ったんですけど、渋谷や下北沢とかで8万円くらいで賃貸を探すと、かなり部屋のグレードが下がる。出費は抑えられるけど、プラスアルファになることがない。ワクワクしなかったんです。

渡辺:
なるほど。年収が下がったとはいえ、それだと精神的にもキツイね。

市橋:
そんなとき、大学時代の先輩がAirbnbを使って転々と暮らしているってことを耳にして、「そんな生き方もあるんだ」ってピンときて。調べてみると、1泊3000円くらいで泊まれるところが結構ありました。これなら工夫すればやっていけるなっていう可能性を感じたんです。

渡辺:
しかし思い切ったね。これまであった家具や服とかはどうしたの?

市橋:
メルカリやCASHで家具や家電を売って、あとは捨てましたね。本とかはすべて電子化しました。季節違いの服などは「サマリーポケット」っていうオンラインの貸倉庫に預けてます。

手元にあるのは、最小限の服や洗面用具とか。それらはスーツケース1個に収まっているので、会社のデスクの下に置いてます。

渡辺:
それだけで人間って生きていけるんだねぇ。

月12万円の宿泊費でも、家賃換算すれば実質9万円。旅行の概念も変わった

渡辺:
けっこう宿泊費にお金かかりそうだけど、実際のところどうなの?

市橋:
月12万円くらいですね。平均すると1泊4000円前後です。

渡辺:
あれ? もともと12万円の賃貸が苦しいから解約したんでしょ? それだと結局変わってないじゃん。

市橋:
よく考えてみてください。この12万円の中には、「水道光熱費」や「ネット利用料」も入ってます。また、契約する際にかかる敷金礼金などの「初期費用」もゼロです。

それら全部の合計が月々3万円くらいになるので、9万円の賃貸に住んでいるのと変わらないんです。

渡辺:
なるほど、家賃以外の固定費も抑えられるのか。

市橋:
さらに言えば、部屋もいつもキレイで掃除する必要もないですから。

渡辺:
それ最高じゃん。

市橋:
ほかにも細かい出費が減りますね。たとえば浅草で遅くまで飲み会があったら、これまではタクシーで家まで帰っていたんですが、今ならその周辺で宿を探して泊まります。これって肉体的にも楽ですよね。

渡辺:
それも最高じゃん!

市橋:
さらに、普通は旅行に行ったときは宿泊費を二重に払ってることになりますよね。家賃プラス宿泊費。でもこの生活だと、週末とかに「今日は泊まるところを変えよう」っていうテンションで気軽に旅行に行けるんです。

渡辺:
ねぇ、だから最高じゃん!!! プレゼン上手!

市橋:
この生活を始めてから本当アクティブになりましたよ。どうせなら休日どこかに行こうという気持ちになりますから。それでも、トータルの出費は減りましたね。

固定費だった家賃が「変動費」に変わったことが“攻める”ためのセーフティーネットに

渡辺:
でもさ、宿が見つからないってことはないの?

市橋:
ほぼないですね。ちょっと高くてもビジネスホテルには泊まれるので、翌日以降安く済ませて支出の帳尻を合わせます。『yoyaQ.com』っていう当日限定の格安ホテル予約サービスなんかもありますし。

渡辺:
なるほどね。

市橋:
家がない暮らしを始めて体感しているメリットは、これまで「固定費」だった家賃が調節できるってことです。安く済ませようと思えば、いくらでも下げられる。一泊2000円の宿に泊まりつづければ、月6万円に抑えることもできます。

渡辺:
家賃が変動費に…確かにこれは革命かもしれない。

市橋:
あと、この暮らしを始めてから友だちが急にやさしくなって、「ウチ泊まりに来なよ」とか言ってくれる人がたくさん出てきました(笑)。

渡辺:
可哀想なヤツだと思われてるんだろうね。

市橋:
それはちょっと心外なんですけどね(笑)。でも極端なことを言えば、友だちの家に泊まらせてもらって家賃をゼロにすることだってできなくはないわけです。そうなると、もうどうなっても大丈夫だなと。

ボクは今スタートアップで働いてるので、そう思える気持ち的なセーフティーネットがあって、攻めに徹することができるというのは大きいですね。.

場所を転々としながら、将来住みたい街のPDCAを回している

渡辺:
この家がない生活ってまだ続けるつもり? 正直疲れたでしょ。

市橋:
いや、全然です。今はやめる理由がないですね。結婚したら無理ですけど。ただ、その時を想定して、街のPDCAを回せるってのもこの生活のメリットかもしれません。

渡辺:
街のPDCA?

市橋:
街の本当の魅力って、ちょっと飲みに行った程度じゃ分からないじゃないですか。

「この街は人が多いけど、夜はけっこう静か」「この街はおしゃれだけど、生活必需品の買い物は不便そう」とか、実際に暮らしたからこそ見えてくることもあります。

今はいろんな場所を転々としながら、将来住みたい街を探してる感じですね。

渡辺:
うらやましい…1カ月でいいからやってみたい。

サウナにハマった結果、健康になったし飲み代も減った

市橋:
あと、これ超アピールしたいことなんですけど、当然ながら風呂がないので毎日銭湯に行くようになったんですね。そしたらサウナにどハマリして。

渡辺:
サウナの話、待ってた。

市橋:
そしたらすごい体調がよくなって。ボク偏頭痛持ちだったんですけど、まったく症状が出なくなりました。

渡辺:
サウナの健康効果は偉大だね。毎日行ってるんだもんね。

※サウナの効果に関しては個人差があります。

市橋:
それに、サウナのおかげで出費も減りましたね。もともと飲んでストレス発散するタイプだったんですけど、サウナに通いはじめてからはストレスがなくなったので。

※市橋さんは酒癖が悪くて有名だったそうです。

渡辺:
最後は若干こじつけっぽくなってきたけど、「家のない暮らし」の魅力が十分すぎるほど伝わったわ。むしろなんでこれまで広まってなかったんだろう?

市橋:
まぁ、普通は「家に住まない」という選択肢が頭の中にないですよね。でも、こうやってちゃんと話すとだいたいみんな興味を持ってくれますね。女性はちょっと厳しいかもしれませんが(笑)。

渡辺:
俺はめちゃくちゃ面白いと思ったので、新R25がこの新しいライフスタイルを世に広めるよ!

おわりに

家に住まない暮らし。市橋さんの話からは貧しさなどは一切感じられず、むしろ新しい価値観を植え付けられました。渡辺も取材後に「結婚前に一度、この生活をしてみたかった…」とひと言。

インタビュー後、市橋さんはリュック一つで颯爽と渋谷の街に消えてきました。今日はどこのサウナに行くんでしょうか?

みんなのコメント

 

名無しさん
自分も家はあるが
家には住めない
毎日トラックのなかやわ
福岡で寝たり大阪で寝たり
気分は旅行
名無しさん
守るべきものがなければ
やれる、かもね
名無しさん
色んな生き方があるから本人がいいならって思うのですが、住民票がやっぱり気になる。
住民税とか選挙投票とかどうしてるんやろ?
通販とか預けている荷物の受け取りとかは?
実家を使っているんならその生活はやめたほうがいい。実家に住んでいるならいいが、30超えてそんな頼り方はどうだろう。
あと友達の家がタダって言う考えはダメ。一泊の価値はよく分かっているはずなのだから、それを友達が負担していることを理解しないといけない。
名無しさん
ジャックリーチャーだな。
財布さえ持たない男。
名無しさん
それなら格安風呂なしアパートを敷金礼金なしで借りて、サウナ通いは続けて、家は荷物置き兼寝場所の方がいい。
こんな生活1年もすれば飽きるよ。
毎度馬鹿馬鹿しい世の中で
個人的な感想としては、収支が同じなら「自分の場所」があった方がいいですね。
自分の場所ならパン一、缶チューハイだって気兼ねなくできますし。
他人様の場所だとそういうわけにもいかないと思いますが。
38
三畳でも四畳でも大の字になって疲れた?って寝っ転がれるスペースは自分のモチベーションの為に結構重要だと思うけどな?。定位置が無いってそれこそ不安で仕方がないな、自分は。
名無しさん
洗濯はどうしてるのでしょうか
名無しさん
病気(感染症)に罹ったとき泊めてくれるところなんてないよ。
////
探せば出来る生活だけど
月9万は高いんじゃない?
固定費+交通費で9万で抑える事を
考え無いと健康が破綻する
名無しさん
ただの無謀な生活だと思う。
夏の陽炎
住所は、実家で郵便物は、会社か私書箱で良いでしょう。
洗濯は宿泊先のコインランドリー。
名無しさん
会社に泊まれば宿泊費も浮いてこれ最高じゃん!
mvs65000
東京で10年一人暮らししたが、本当に家賃がバカバカしかった。月11万で10年で1300万だもんな。ローン組んでマンション買ってれば売ればそのまま返ってきてたんだもんな。スパとか転々としたくなる気持ちはすごくわかる。地方に住んでる今は全く考えられないが。
lemon
いいね!
人生、やりたいことやったもん勝ち!
嫌になったら止めればいいこと。
こんな生き方、好きです。
名無しさん
若くて健康な一時期だからできるのかも。
名無しさん
住民税は払って無いんだ
名無しさん
それならキャンピングカー生活がしたいけど。
家に住まないなら、住民税とかどうなるんだろ?
4カ月じゃね。
単にフラフラ遊んでるだけ、って感じ。
名無しさん
なんか、早死にしそうな生活w
期間限定ならやってみたいかも。
レモンキリン
人生いろいろ
住むとこいろいろ
しかし、マネはしたくない。
名無しさん
元気なうちは良いけど、病気や障害者になったら年金も保険も入らんよ。
郵便物はどこに届くの?
mt_
シーズンオフの服とか倉庫に預けたら結構お金がかかるし、衣替えの時期とか困りそうだわ。とにかく不便で落ち着かない気分になるな
名無しさん
なんか、まともじゃない感じだな。
名無しさん
カッコつけてるけど、つまりは住所不定、ホームレスじゃないか。
住民票はどうなる? 住所がなければ、転職も大変だよ。
***&・・・
住所不定って社会的信用はゼロ。病に倒れてもまともに?ナマポ野郎にすらなれません。
名無しさん
自分が変人だってことに気付いてるのかな?
名無しさん
宿を予約するのにも住所が必要だろうに…。実家の住所を使っているのかな。
名無しさん
住所不定のホームレス、まともな会社に正社員で雇われない、アパートも借りれない、社会的信用もゼロ。デメリットしか感じないが?やせ我慢してないで本音を言えば?
名無しさん
会社と実家がなくなったら
単なるホームレスだな
浅はかだとしか思えない
名無しさん
よく考えてるフリしてるポジティブな奴ということはよくわかった。
バカボンの靴下
あなたがもし失業したら雇う会社は皆無ですね
本当のホームレスそして最後は生活保護
名無しさん
家族は持てないですね。
名無しさん
色んなところにすんでみるには良い方法かもしれませんね
若ければやってみたかった
家や物に縛られない暮らし良いかもしれません
名無しさん
移動の為の交通費は考えてない感じかな?
ちょっと体調を崩せば終わる生活ですね。
なんかね、
”今楽な生活”
”普通に家賃を払って住むなんて考えは古い”
って感じに流れる人たちが昔もいたのを覚えている人もいるかもしれません。
「家賃」「定住」
の部分が
「正社員」
に置き換わってた感じで考えてください。
バブルのころですよ。
正社員で働くなんてバカバカしい。
フリーターのほうが自由で自分の時間も持てる。
〇〇を利用すればこんなに便利!
って言って、気ままにアルバイト生活。
その後バブル崩壊。
アルバイトは即座に切られる。
それから必死に正社員になろうとしてももう遅い。
氷河期到来で新規学生すら就職難。
そういう世代が50歳過ぎてもアルバイトで今どういう生活を送っているか・・・
名無しさん
郵便物どうしてるんだろ
名無しさん
これが流行するかも知れない、と書いている記者の感性が理解できない。絶対に流行しないと思う。
名無しさん
郵便物はどうしているのだろうか。
名無しさん
住所不定だと健康保険とかどうなの?
会社勤めなら、尚更身元保証出来ないとダメじゃないかな?
エリート会社員
めんどくさいし仕事に集中できないだろ。
俺はそんな生活は絶対にいやだ。絶対に定住派。
夜も仕事したいし、宿探しなどしてる場合じゃない。

 

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