くまモン、バリィさん、さのまる……、一時期はテレビなどで引っ張りだこだった人気者のゆるキャラたち。最近、その姿をほとんど見なくなった。
“PR大使”や“観光部長”などの特別職に任命されていたが、何かやらかしてお役御免となったのか。
はたまた、猛暑続きの日本列島で“中の人”たちが音を上げたのだろうか。ゆるキャラたちは、どこへいったのか。火付け役となった「ひこにゃん」ブームを仕掛けたPRプロデューサーの殿村美樹さんに探ってもらった。
「うちは、もうやめました」
最近、各地の役所を訪ねるたびに、ちょっと物足りない気持ちになります。これまでは、夏になると、ご当地を代表する「ゆるキャラ」のポスターや等身大パネルが、県庁や市役所のエントランスで出迎えてくれました。それが、今年はほとんど見当たりません。
その理由を職員に尋ねると、どの自治体でもほぼ同じ答えが返ってきました。
「ああ、うちはもう『ゆるキャラグランプリ』へのエントリーをやめたんですよ」
2011年にスタートした「ゆるキャラグランプリ」は、一般投票で順位を決める「ゆるキャラ」の人気コンテストです。栄えある初代王座に就いたのは、みなさんご存じの熊本県PRマスコット「くまモン」でした。
くまモンが全国の頂点に立ったことで、熊本県は一躍脚光を浴びました。日本銀行熊本支店は、観光や関連グッズの売り上げなど「くまモンの経済効果」について、11~13年の2年間で1244億円に上ると発表しています。これは、NHK大河ドラマによる、ご当地の経済効果を上回る規模と言います。
「くまモンに続け!」
これだけの経済効果に、他の自治体が指をくわえて黙っているはずがありません。「くまモンに続け!」とばかりに、全国の自治体がこぞって地元の「ゆるキャラ」をグランプリにエントリーし、全国区のスターにしようと熱いPR合戦を繰り広げたのです。
グランプリの参加数は、11年の348体、12年865体、13年1580体、14年1699体と増え続けていきました。全盛期の15年には1727体もの参加がありました。
全国市区町村の総数が1740余り。企業キャラのエントリーもありましたが、仮に半数を差し引いたとしても、多くの自治体が「ゆるキャラ」の売り込みに躍起になっていた様子がうかがえます。
しかし、そのエントリー数は16年から減り始め、17年は1158体に落ち込みました。そして、今年のエントリーはピーク時の約半数の896体にとどまり、1000体を大きく下回りました。企業キャラを除く、ご当地キャラは500体程度です。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180819-00010000-yomonline-life
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