京都市が4日発表した2017年観光総合調査では、観光消費額や宿泊客数が順調に伸びた一方、観光施設やバスが混雑していることに対する不満の声が目立った。市は近年、観光客の分散化に力を入れているが、課題解決へのハードルは高い。
■優先座席に観光客、お年寄りは立ったまま
5月、友人と京都観光に訪れた主婦(58)=愛知県豊田市=は、下京区のJR京都駅でタクシーに乗り込んだ。年2回は京都観光を楽しむ「常連」だが、2年前からバスを使わなくなった。
最大の理由はバスの混雑だ。満員のためバスを乗り過ごすこともしばしばあった。キャリーバッグを抱えた外国人観光客が優先座席に座り、地元住民とみられるお年寄りが手すりにしがみついて立っている光景を見て、ショックを受けたこともある。
最近は混雑を避けて市内周辺部の寺院を訪れることが多くなった。「初めて京都を訪れる人はやっぱり有名な寺院を訪れると思う。バスの本数やルートを増やすなどして、周辺部の魅力的な観光地に行きやすくしてほしい」と望む。
■観光客集中、市民生活に影響
市は混雑の原因について、観光客が特定の「場所」「季節」「時間」に集中するためと分析している。隠れた名所の発掘や朝・夜観光の推奨など観光客の分散化に力を入れているが、道半ばだ。
市は「市民生活と観光との調和を一番に考えている」とするが、観光客の集中は、すでに交通渋滞やごみ問題などとして表面化し、市民生活に大きな影響を与えている。
門川大作市長は4日の記者会見で「エリアの集中は悪化している。要因を分析したい」とした上で、混雑解消や市民生活との調和を図るため、市バスの「前乗り後降り」方式の導入や違法民泊の取り締まりなどに引き続き取り組む姿勢を強調した。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180705-00000013-kyt-cul
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