弁護士 内藤由佳さん
自閉症の長男が生まれて、人生が変わった。予測ができない未来に不安を感じ、もがく日々から抜け出せたのは、現実を受け入れ、一歩を踏み出す勇気を手に入れたから。その経験を胸に、母として、弁護士として前を向く。「大人になってもみんなが幸せでいるためには、どうすればいいと思う?」
12月初旬、鹿児島県志布志市の小学校。いじめ防止にちなんだ授業で、4~6年生の約70人に語りかけた。
中学生の頃、太った体形をからかわれたことがある。その体験を交え、いじめをなくすには何が大切か一緒に考え、こう強調した。「一人一人が大事な存在。そのことを忘れないで」
大学3年で司法試験に合格し、2002年、24歳で裁判官になった。間もなく同期の裁判官だった大作さん(41)と結婚し、04年に長女を出産。仕事と育児を両立する「裁判官夫婦」としてキャリアを積むと信じていた。
「足りないものは何もないね」。そんな会話をしていた夫婦のもとに08年、第2子の長男大雅(ひろまさ)君が生まれた。「お姉ちゃんによく似ている」。夫婦で喜んだ。
1歳半の健診で発達の遅れを指摘された。名前を呼んでも反応せず、おもちゃに興味も示さない。2歳半で自閉症と診断された。「やっぱりそうだったんだ」
当時住んでいた愛知県で、1歳10か月の大雅君を保育園に入れた。その後、自閉症が分かると、「来年からは受け入れる枠がない」と言われた。裁判官としてようやく一人前になる時期。だが、仕事を辞めた。
【自閉症】 一般社団法人「日本自閉症協会」によると、生まれつき脳の機能に何らかの障害があるとされる。他者との関係構築やコミュニケーションに強い不安や抵抗があったり、興味や関心が強く偏っていたりする
裁判官夫婦から弁護士夫婦へ 親子4人暮らしに戻り
大作さんの転勤で引っ越した兵庫県でも、絵本が好きな長女のために大雅君も連れて図書館に行くと、大声で泣かれ、冷たい視線を浴びた。障害のない子どもと親が、うらやましかった。「この子の将来はどうなるんだろう」。大作さんと育児方法をめぐって衝突もした。不安をかき消すように、育児書を読みあさった。
そんな時、障害があっても積極的に何でも挑戦させるという鹿児島県志布志市の保育園を本で知り、すぐに現地へ見学に行った。
大雅君はいつものようにパニックを起こした。機嫌を取ろうとなだめると、園を運営する横峯吉文さん(67)に一喝された。
「泣いても誰も困らない。放っておいて大丈夫。子どもの能力を信じなさい」
自立を促す教育方針に共感し、入園を決めた。突然の決断に「非常識だ」と反対する大作さんを兵庫に残し、12年4月、志布志市に移住した。
縁もゆかりもない土地の人たちは、図書館で大雅君が騒いでも笑顔で見守ってくれた。園の指導で、4歳で両足跳びができるようにもなった。その場の雰囲気をぱっと明るくできる、表情が豊かな子どもに育っていた。
同年9月、知人の契約書の作成を手伝ったことをきっかけに、「まだ法律家として人の役に立てるのでは」と、長らく弁護士がいなかった同市に法律事務所を開設した。その直後、大作さんも裁判官を退官。「弁護士夫婦」となり、親子4人での生活を再開した。
大作さんは休日、大雅君とサッカーをして父子の時間を持つようになった。「妻は目標に向かって全力で突っ走るタイプ。これから先、どんな困難があっても、最善の策を選択してくれるはず」と信頼を寄せる。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190107-00010000-yomidr-life
ネットの反応
発達障がいの子供の親です
確かにキャリアがあってどこへでも移住できる環境の人は少ないと思いますが、皆が憧れるキャリアを捨ててまで移住された決意は並大抵ではないと思います
子どもの為に最終的には旦那さんも一緒に移住されたのはとても素敵だと思いました
私自身が発達障がいの子供を持っているため、将来の金銭面の不安からもキャリアは捨てきれていません…
たまたま家族や周りの人達に恵まれているから続けられています
そう考えると本当に感謝して生きていかなければと考えさせられます
せめて1都道府県に一ヶ所はそのような施設があるといいのですけど。。
なんとかならないでしょうか。
父親が高齢の場合は自閉症児が生まれる確率が高くなる、は本当なのかな?
「足りないものは何もないね」
なんて、本当恵まれた人生ですね。
完全な妬みですけど、下の子が自閉症と知って溜飲が下がりました。
図書館なんか行かないでもいくらでも本買えるでしょ。
絵本もバカにならなくて、小さい子担いで大変な思いして図書館まで連れてってんのに、
そんな人の子が奇声出して騒いでたら
そりゃ私も白い目で見ちゃいそうです。
引っ越し代もバカになりません。
もちろん家のローンもあればなおさらです。
日本のどこかにいい保育園があるから引っ越しなんて簡単にできる人はいません。
それを行動力だの母の愛だの言われると、ますますそういうご家庭を追い詰めるんじゃないですかね。
やっぱり障害児って本人も不幸だろうけど、家族も不幸にする。
健常児なら捨てなくてよかったキャリアを捨て、家を捨て、出費も増え、自分の死後の心配までしなければいけない。
優生学ってそんなおかしいの?と最近思う。
天使だの何だの、綺麗事ばかりではない。親の苦労はとんでもないくらい大きい。たいてい街中で出会う障害児の親はやつれてる。
ご長男への愛情は伝わりました。でも長女には?意地悪な気持ちではなく、長女にも触れてあげてほしい。
運命です。
母は強し。
私も常々そうありたいと願っても、キッカケがないと、中々踏み出せないことも多い。
結局、これもできない人間のただの言い訳か。
好きな言葉・足るを知る
子どもの能力、金銭的な問題、家族の関係…
上を見たら、欲を言い始めたら、キリはない。
この方は現状を受け止めて、今出来ることの全てをつくした。
その覚悟、見習いたいです。
素晴らしいお母さんですね。
調べて決断して動く速さがさすがです。
自分が子どものことで今後、困難なことがあったとしても見習いたい。わたしはただの主婦だけど見習えることはあると思う。
記事にでている「横峯さん」はヨコミネ式を作った方の保育園ですね。
子供のためにできることはすべて手を尽くしたい気持ち伝わりました。
お母さんって強いね。
夫婦揃っての決定ならもっと順調だったかもしれないけど、息子さんのための勇気のある決断。
息子さんの様子知って、意地を張ることなく引っ越して来たお父さんの謙虚さもさすがですね。
小学生で英検3級受かるなんて賢いね。
うまく才能を伸ばしていけたらいいな。
この夫婦は共に弁護士で恵まれた収入も得られる
手に職だから、全国何処でもやる気さえ出せば活躍
できる
会社に繋がれなくても生活できるメリットがある
そんな環境で産まれた子供が自閉症だった‥
ならば親ならば可能性があるならば子供のために
試してみたい、少しでも改善させたいと思うのでは
ないでしょうか?
子供のためならば苦労だと感じないもので‥
最近は毒親がどうの多いみたいですが‥
ごく普通の親たちは子供の笑顔がいちばんの幸せなん
だと思う、その笑顔を見たくて親たちも毎日頑張って
いる、父親も、母親も。
同じ発達障害の子を持つ親としては、なんだか複雑な気持ちになる記事でした。ここまでお母さんがバイタリティ溢れ、かつ仕事も選択出来る様な人は極めてまれで、多くの人はもっともっと過酷な状況にあります。
決してこの記事にケチをつけるつもりはなく、この方の取り組みも素晴らしいと思いますが、もっと発達障害の子供を持つ「普通の家庭」の泥沼のような苦しみにも目を向けて頂ければと…。
駄文失礼しました。
全国どこへでも行きます。
だから、教えて下さい。
鹿児島の志布志市に受け入れてくれる保育園があるのですね。
他にはどこがあるのでしょうか。
困っている親は全国にたくさんいます。
障害のある子を育てるのに1番困るのは、公立の幼稚園や保育園の受け入れが難しい地域があることです。
他人の目も痛いです。
ただ見ただけかもしれませんが、悲しいのです。
子供のためなら、どこへでも引っ越す覚悟はありますが、情報がないのです。
まとめたサイトができることを願います。、
自閉症が堂々と暮らせる島や地域があるのなら、今すぐにでも行きたいです。
思い切った決断、スゴい。
うーん、ニュースにして同じ境遇の親御さんの共感を得られます?参考になる?あまりに特殊というか優秀で歳のさ婚で…。ただ子供第一の考え方は好きだけど結婚した旦那さんは少し可哀想なような(^_^;)
知的で綺麗なおかあさんですね。
教育に関してもどこが良いか選択できる力がすごいです。
この話は健常な子どもにも通じるものがあります。感動しました。