先月、中国の北京市で中国電力企業連合会と、日本の「CHAdeMO(チャデモ)協議会」が、電気自動車(EV)の次世代充電技術開発提携について調印式を行った。EVの急速充電は、高出力の直流電流を扱う(扱いを間違うと危ない)ため、自動車と充電器を接続するプラグの形状や、充電システムを制御するプロトコル(ソフトウェア)の規格が定められている。今まで世界では、日本が提唱する「チャデモ」のほか、
中国の「GB/T」、ヨーロッパを中心にした「コンボ」といった規格が乱立してきた。こうした急速充電器に関する規格を、2020年をめどに日中で規格を統一することが決まったというニュースである。
現在の急速充電器の普及台数は、チャデモが約1万8000基(世界シェアは約7%)、GB/Tが約22万基(87%)、コンボが約7000基(3%)。つまり、日本と中国が連携すれば世界シェアの90%以上を抑えることになり、ほぼ世界統一が実現される。
日本メーカー製のEVが、今や世界最大の市場ともいえる中国で売れまくり、世界を席巻する状況が整ったとする報道が見受けられた。はたして、本当にそうなのか。いくつかのポイントを整理してみたい。
現状のEVは新規格で充電できるのか?
EVを急速充電するための国際規格である「チャデモ」は、2010年に設立された「チャデモ協議会」によってプロトコルや仕様が定められている。協議会に参加しているのは東京電力やトヨタ自動車、日産自動車、三菱自工などの国産自動車メーカーが中心だ。
さらに、日本国内はもちろん、世界各国の充電器や電池メーカー、自治体なども会員として名を連ねている。
日本国内に設置されているチャデモ規格による急速充電器の出力はおおむね20~50kW。中国の規格であるGB/Tも、最大出力は50kWとなっている。
それが、今回調印された新規格では一気に900kW(18倍)程度まで高出力化して、短時間での急速充電実現を目指している。単純に計算すれば、50kWで30分かかっていた充電時間が、900kWであれば2分足らずに短縮されることになる。
でも、現在発売されているEVに搭載されている電池のほとんどは、こんな高出力の充電には対応していない。また、プラグ形状も変わってしまうから、今のEVがそのまま新規格の急速充電器を使用することはできないのが実情だ。
チャデモ協議会の関係者によると、新規格の急速充電器は「プラグのアダプターを活用して、『現状のチャデモ』と『新規格』、『現状のGB/T』と『新規格』という4通りの組み合わせに対応する方向で検討を進めている」という。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180922-00000004-wordleaf-bus_all
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