韓国で「一度客に出した料理の再利用が合法になった」という記事がネット上で大きく拡散され、話題を呼んでいる。まとめサイト「Buzz Plus News」が配信したもので、「韓国」というキーワードが入る過去1年間のネット上の記事の中で、4番目に拡散されているほどの勢いだ。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】
しかし、この記事はミスリードだ。BuzzFeed Newsでは、その内容を検証した。
10月16日に「Buzz Plus News」が配信したのは、《【衝撃】韓国で「一度客に出した料理の再利用」が合法に / キムチやライスなど次の客に食わせることが可能「残飯の再利用か」》という記事だ。
韓国で出された「ビュッフェレストラン等の衛生ガイドライン」を紹介する内容で、「残飯でも食材の再利用は韓国において合法な行為」などと書かれ、「このガイドラインに関して驚きを隠せない日本人が多い」としている。
計測ツール「BuzzSumo」を使って調べたところ、TwitterやFacebookで計3万2千以上シェアされている。
「韓国」というキーワードが入る過去1年間のネット上の記事の中で、4番目の拡散量だ。
「韓国にはもう行けない」「韓国に行かない理由が増える」などというコメントでツイートされているものもあり、ほかのまとめサイトが転載するなど、情報は広がりの一途を見せている。
まず、経緯を振り返る
そもそも韓国では、「食品衛生法」に基づき、客が食べ残した料理の再利用を原則として禁止している。「Buzz Plus News」の記事でも引用されている「ガイドライン」は、決して再利用を合法にしたわけではない。ビュッフェ向けに、再利用のルールを整えたものだ。
これが10月15日付で出されていたことには、理由がある。
韓国では2018年8月、有名ビュッフェ店で刺身などの食材を使い回していたことが内部告発により発覚し、社会問題化していたのだ。
中央日報によると、店舗側は、食べ残しではなく、陳列していたものなので法的に問題はないとの立場を取っていた。
これを受け、食品医薬品安全処はビュッフェ店での実態を調査。法律でカバーできていなかったビュッフェでの食品取り扱いについて、新たにガイドラインを策定することになったのだ。
ガイドラインに書かれていること
韓国大手の「聯合ニュース」(10月15日)は、その策定を以下のように伝えている。《食品接客業者は、食品衛生法に基づいて客の食べ残しや陳列した食べ物を再利用したり、調理、保管することができない。これ違反した場合、営業停止15日から3ヶ月の処分を受ける》
「Buzz Plus News」の「一度客に出した料理の再利用が合法に」ということが、ミスリードであることがわかる。
実際、ガイドラインには以下のようなことがQ&A形式で記されている。
「一度陳列された刺身、寿司、海苔巻きは微生物が増殖してる可能性高いため、再利用はできない」
「一度カットされて中身が空気に触れたものは、再利用してはいけない」
「ケーキのようにクリームが塗ってあるパン類は微生物が増殖する可能性高いから再利用できない」
「空気中に長時間触れてたりしたら腐る原因になるため、フタをつけていたとしても天ぷらやチャプチェの再利用はできない」
さらに「食べ物を陳列するときは、20cm以上の十分な間隔をおく」「2時間以上陳列された食品は、全量廃棄する」といった点も新たに決められている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181020-00010002-bfj-sci
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