◆詰め替えボトルは衛生的? 大事なのは洗い方よりも乾燥過程
近年、エコや経済的な観点から、最初に買ったボトルを再利用して、中身を入れ替えるタイプの商品が増えています。お風呂でのボディソープ、シャンプー、リンスはもちろん、化粧水やクリーム、キッチンの食器用洗剤、洗濯時の衣類用洗剤。
醤油を小分けして使うための醤油注ぎや、飲み物を分けて持ち歩く水筒なども、中身を詰め替えて使い続ける点では似ています。
中身が口に入れるものかどうかで、取り扱い時の感覚はだいぶ変わってくるようですが、ボディソープなどを含む洗剤の場合は、仮に中に少し有害な雑菌などが混ざっていても、泡をすすぎ流す過程で薄まるため、医師としては正直あまり心配はいらないのではないかと思います。
醤油注ぎや水筒は、洗浄後にしっかり乾燥させる人の方が多いでしょう。実は細菌の繁殖を防ぐという点では、この「乾燥」という過程が重要。
細菌が増殖するには、水分、養分、温度が必要なので、水分をしっかり乾燥させていれば、細菌の増殖は防げるのです。
◆乾燥させなければ大差なし? 洗浄回数による細菌数の違い
しかし毎日使う製品の場合、中の水分を軽くふき取るとしても完全に乾燥させるのは難しいものです。多くの人がしていそうな「洗浄はするが乾燥は完璧にしない」状態は危険なのか、考えてみましょう。
容器をすすいでも、いったん水を出しても少しの水分は内側に残ります。同じく雑菌も付着している可能性がありますが、何度かすすぐとそれらの数はかなり減っていきます。
例えば、500ml入りの容器の水をざっとすすいだとき、雑菌が含まれているかもしれない水分が中に5ml残ると仮定しましょう。
ここにさらに清潔な水を入れて、捨てる作業を繰り返したとします。同じ動作を3回繰り返すと、5/500×5/500×5/500=1/1000000となり、百万分の1になります。もしも液体を入れていた容器中に微生物が増えていた場合、残っていた微生物の数も百万分の1になります。
しかし微生物は最初の数から増えていく特徴もあります。上記の手順で微量の微生物と水分が容器内に残っていて、2時間で2倍に増えていくと仮定しましょう。2時間後に2倍、4時間後に4倍、6時間後に8倍……と考えると、20時間後には約1000倍、40時間後には1024×1024で約1000000倍となります。
つまり詰め替えから2日間で1000000倍になるということです。2時間という仮定が短いと考えて、細菌の増えるスピードを4時間で2倍として考えても、8日後には結局1000000倍になってしまう計算です。容器を3回すすいでごく微量の微生物が残っていたとしても、一定時間すれば細菌はどうしても増殖してしまうのです。
ただ、詰め替え容器の細菌が原因での事故のニュースなどを聞かないことからもわかる通り、実際は洗浄しても洗浄しなくても詰め替えてから一定時間すれば大差なく、実際の人体への重大な影響はないと考えられます。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180716-00012046-nallabout-hlth
みんなのコメント
そのまま水切りカゴに翌朝まで放置(飲み口部分は手で水洗い)。朝はそのまま新しい麦茶を入れ、職場に持って行く。でも、体には何の異常もない。細菌とか、みんな気にし過ぎ。