この春入社した新入社員の中には、ちょうど、会社の「新人研修」を受けている人もいるかもしれません。最近では、外部の研修会社に委託するところもあります。あまりにも研修が厳しいものは、「地獄の合宿」「スパルタ研修」として、毎年のようにネット上で話題になっています。
今年少し話題になったのが、潮風が吹き荒れるロケーションにある合宿所で、集団生活するというものです。およそ1週間程度、携帯・スマートフォンを取り上げられ、スパルタ教官のもとで、いくつかの「試験」に合格しないといけないそうです。
朝6時30分から朝礼がはじまり、みんなの前で「スピーチ」する。さらに、吹き荒れる潮風で体力を奪われながら、社訓のようなものを暗記する。少しでも間違えると不合格です。極めつけは、まともな地図を渡されず、スマホも持たず、夜間30キロも行進するプログラムです。
病院送りになった人もいて、研修後に多くの人がやめていくみたいです。教育とはいえ、こうした「地獄の新人研修」に法的な問題点はないのでしょうか。もし、心を病んだりした場合、損害賠償を求めることはできるのでしょうか。杉浦智彦弁護士に聞きました。
●新人教育として不要なことをさせるのは「違法」にあたる
――新人研修の中には、このようにスパルタ式のところがあります。どのようなレベル・内容だと、法的な問題が生じますか?
会社は、従業員に対して、何でも指揮・命令できるわけではありません。業務上必要といえるものでなければなりません。仮に業務上必要でも、不当な動機・目的でおこなわれるものは許されません。それは、研修などの教育訓練でも同じです。
この手の新人研修の場合、新人の教育として不要なことをさせたり、特定の人にだけ見せしめのように厳しい研修をしたりすることは、違法といえます。
――夜間30キロの行進などは違法になりますか?
社訓暗記や夜間行進30キロはたしかに大変ですが、組織の結束を高めたりする意味があるとして、業務上必要と考えられる可能性はあります。ただ、長期間で、実際に心身の不調が発生したにもかかわらず中断しないような場合には、教育的意味が乏しく、違法な研修と判断される可能性が高いでしょう。
また、新人研修の時間も勤務時間に含まれるので、適切な賃金が支払われていないと、時間外労働・残業代の問題も発生します。
●逃げ出しても「解雇」にならない
――あまりにもひどい状況から逃げ出したら、クビにされても仕方がないのでしょうか?
研修自体違法ならば、逃げ出しても懲戒することはできません。また、研修自体が違法と言い切れない場面でも、研修から逃げ出した程度で解雇するのは過剰ですので、解雇は無効となるでしょう。
――もし、「地獄の合宿」でケガをしたり、心を病んでしまった場合は、労災はおりるのでしょうか。会社に対して損害賠償を求めることはできるのでしょうか?
新人研修も勤務時間なので、ケガをした場合は、労災が認められます。また、長時間の研修で、達成困難ともいえるノルマが課されたような場合は、心理的負担の強い出来事といえるため、心を病んでしまったことについても、労災が認められる場合が多いでしょう。
また、会社に対しても、安全配慮義務違反ということで、損害賠償を求めることができる場合も多いでしょう。
●「会社の評判が下がり、良い人材も集まりにくくなる」
――ケガをしなくても、そんな研修を受けていたら「会社がイヤ」になる可能性もあるだろうと思います。そういう場合はどうでしょうか?
違法な研修がされていたならば、人格権侵害ということで、損害賠償を求める余地はあります。しかし、そうではない場合は、損害がない限り、損害賠償を求めることはできないでしょう。
――「地獄の合宿」はおすすめしない?
企業にとって、人材の定着は課題の一つです。仮に適法であっても、このようなハードな新人研修をおこなっているということが外部に伝わると、会社の評判が下がり、結局良い人材も集まりにくくなるでしょう。
「私たちの時代は、これくらいが通常だった」と言いたくなる気持ちもわかるのですが、将来の会社の発展を考えると、弁護士としては、おすすめできない方法です。
【取材協力弁護士】
杉浦 智彦(すぎうら・ともひこ)弁護士
神奈川県弁護士会所属。刑事弁護と中小企業法務を専門的に取り扱う。刑事事件では、特に身柄の早期解放に定評がある。日本弁護士連合会中小企業法律支援センター事務局員としても活躍。
事務所名:弁護士法人横浜パートナー法律事務所
事務所URL:http://www.ypartner.com/引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180424-00007769-bengocom-life
みんなのコメント
会社馬鹿なの?
会社に従順かつ無条件に従わせる為の
『調教』と言うべきでは?…
ここまで今の日本って甘ちゃんなのか?
もちろん今も昔も中には「そこまでする意味は?」「エゴ?」と思う内容の研修をしてる企業はあるが、そもそも社会人になる前の学生時代に臨海(山)学校とか、今の時代は無いのか?
規律正しさを身に付けるための一環として学校全体で2泊3日とか3泊4日で海や山にある昔は少年自然の家と言われる施設があり、生徒全員(男も女も、痩せていても太っていても一律同じ)長距離マラソンや山登りしたり、カッター漕いだり、団体行動訓練させるなんて経験してればそれに似た様なものなんだけど、そういう経験は既に無いのか?
体育系文化系で体力の違いもあったけど、キツイしんどいの経験が無ければそりゃ社会人研修の度合いにもよるが、違法か?なんて議論も出るのは仕方ないのかな、、、
↑これは嫌w無意味
でも30㎞歩きぐらいだったら良いかな レクという意味では楽しい
そもそも
>東京マラソン最高齢完走者(90歳) 「フルマラソン楽しい~生甲斐です」
>新人(20代)「30㎞地獄だよ~(泣)」
最近の若者はひ弱だね 爺婆だって歩いているというのに・・・
若いから直ぐ回復するよ ちょっと情けないわ
学生時代の担任の先生は、スパルタでしたが、厳しくも優しかったので
生徒からの信頼もありました。
もう一人の先生は、当たり障りない対応でしたが、信頼度はゼロです。
夜間30キロであっても、新人であれば若いので体力はあるはずです。
一生懸命みんなで、成し遂げる事は、同期同士で、結束力もつき、いい思い出になるのでいいと思います。
ま、たまにテレビとかでその様な映像を流すけれども、それに安易に飛びつく経営者や幹部も多いのでは?
地図もなしに30km夜間行進なんて、軍事演習でもする気か。
軍事演習でも地図と最低限の装備は持たせるから、それ以下だな。
その研修を行う事で、今後の業務に何の役に立つのか。
こんな無意味で、はっきり言って頭の悪い『馬鹿』みたいな事をするから、まともに業務が回らないのだよ。
まぁ、社畜を作るための現代版のムチ打ちなんですかね。
確かに何事もすぐに諦めると成功は得難いかもしれません。
ただ、無駄な事や変な事をやらされるのに疑問を持つのはダメ!というのが社会。
という事を新人研修で刷り込むのは止めてあげてほしい。
目的はただ一つ ひ弱な人間を排除すること。
終身雇用の時代だったからね。
今は何してるんでしょう
まともな地図が無いのと、夜間30キロの行進はどうかと思う。
ただ、スマホは無くてもよくない?
スマホは無くても地図は持たせるべきでは?
それからいきなり30kmは無理だと思いますよ?
体壊したらどうする?
どう考えても自衛隊じゃないんだし、負けない強い気持ちを
持たせるのが目的なら何もスパルタだけじゃない
『自衛隊』というだけで思想的な拒絶感を持っている人もいるかもしれないし体力の無い者は腕立てやランニングだけでも悲鳴を上げるかもしれない。
一方で規律と団体行動を学びだらけていた学生生活と区切りをつける機会であることも事実。
他にもレクレーションとして運動会のようなことをする企業もある。
これらは業務に必要なことか?と言われれば必ずしもそうではない。
しかしその会社がそういった研修が必要だと思い実施しているに違いない。
採用される側(学生)もその企業に入社すればどういったことが求められどのような研修があるのかぐらいわかっているはずだ。
入ったあとで『キツイから違法だ!』と文句を言うなら初めから他の企業に応募してくれ…という意見があるのも当然だろう。
やってるんだねえ(笑)
馬鹿じゃないの 努力 根性 忍耐
そんな事させる暇と金余ってるなら
ビジネス英語 中国語の修得させた
ほうが役に立つと思うけどね
即事業務だったから、大企業に憧れた。
が、しかし、場所によることがよくわかった。
あるなら教えて
弁護士ドットコム
俺が入社した会社では、「どの研修を受けるか?」と言う選択肢があって、俺は静岡の12日間?の「地獄の特訓」を希望したけど、流石に地獄だったし、苦しかったけど、終了式の時は本物の達成感と感動を得たね!
今でも、あの経験が自分の精神的な財産になってると思うよ!
将来的に何かの商売とか自営をしようと思ったら、絶対に受けるべき研修だと思うし、受講する意味とか理屈じゃないんだよ、、、