【台北=田中靖人】台湾北東部・宜蘭(ぎらん)県で21日に起きた特急列車の脱線事故で、台湾鉄道(台鉄)を運行する交通部(国土交通省に相当)台湾鉄路管理局は21日夜、事故直前に運転士が動力の異常を通報していたと明らかにした。
現場は半径300メートルの急カーブで時速65キロの速度制限がある。事故当時130キロ近く出ていたとの証言もあり、当局は負傷した運転士の回復を待ち事故原因の究明を急ぐ。
現場では横転した車両を重機で起こし、不明者がいないか捜索する作業が徹夜で行われた。事故の死者は18人、負傷者は187人となった。当局は一時、死者を22人と発表するなど情報が錯綜(さくそう)。
先頭車両に乗っていて軽傷を負った男性は21日深夜、遺体が集められた病院で「隣の席にいた学生の行方が分からない」といらだった様子で話した。当局は死者の身元確認を急いでいる。
台湾では数十年ぶりの重大な鉄道事故で、22日未明に頼清徳(らい・せいとく)行政院長(首相)、早朝には蔡英文(さい・えいぶん)総統がそれぞれ現場を視察し、病院で遺族やけが人を見舞った。
地元紙が報じた乗客の証言によると、列車は宜蘭駅を出た後、徐々に速度を増しブレーキを3回かけた。車内の照明が点滅し、異音も聞こえたという。
当局は動力の異常で速度超過を防ぐ装置が動かなかった可能性も含め、原因の究明を急ぐ。事故を起こした「プユマ」号の車両を製造した日本車両製造(本社・名古屋市)からも調査団が来台するとみられる。
一方、事故後に運休していた台湾鉄道の東部路線は22日早朝から事故のあった線路を除き運行を再開した。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181022-00000524-san-cn
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