【米中熱戦と日本の針路】
韓国最高裁による、元徴用工をめぐる異常判決を受け、日韓関係が悪化している。自民党外交部会などの合同会議は非難決議を行い、政府に対抗・制裁措置を要求。韓国に進出している日本企業の一部は、韓国撤退や投資引き上げを検討し始めた。
今後の日韓、米韓関係はどうなるのか。国際政治学者の藤井厳喜氏は集中連載「米中熱戦と日本の針路」の第1回で、暴走する文在寅(ムン・ジェイン)大統領率いる「反日韓国」に迫った。
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今回の連載は、本格的に始まった「米中対決時代」における日本の針路を模索するものである。だが、その第1回で、どうしても朝鮮半島の現状について言及しておかなければならない。
なぜか。それは、文政権の韓国が「北朝鮮との統一」に向けて暴走しているからだ。
今や文氏は、米国のメディアから「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の首席報道官」と呼ばれるまでになった。
ドナルド・トランプ米政権は、何度叱責しても言うことをきかない文氏を見捨てている。そういった状況の中で、ただでさえ悪い日韓関係をさらに悪化させる“事件”が起きた。
韓国最高裁が10月30日、新日鉄住金(旧新日本製鉄)に対し、韓国人の元徴用工4人に損害賠償を支払うよう命じたのだ。
もちろん、請求権問題は1965年の日韓請求権・経済協力協定で「完全かつ最終的に」解決済みである。国際法上、国家間の条約である請求権協定は、立法・司法・行政の三権に優越する。韓国最高裁の判決は、完全に国際法と国家間条約を無視した不当なものである。
国際条約さえ順守できない「無責任国家」に対し、日本には国際司法裁判所(ICJ)への提訴という手段もあるが、韓国は応じない可能性が高い。現に、日本は2012年、竹島問題でICJへの提訴に動いたが、韓国は拒否した。
そこで提案したいのが、もっと実効性のある「対韓懲罰」である。
すぐできる懲罰は「在韓日本大使の帰国」である。この問題が解決するまで、大使を韓国に戻さない決意が必要である。
第2の懲罰は「ノービザ渡航の廃止」など、韓国人の日本入国のハードルを上げることだ。商用出張の長期滞在ビザについても、窓口規制でビザ取得までに時間をかけると同時に、発行数も極端に減らす必要がある。
最近、日本で働く韓国人の数が増えている。
17年末時点で、「技術・人文・知識・国際業務」ビザを取得した韓国人は2万1603人で、前年比で約14%も増加した。
昨年の韓国大卒者の就職率はわずか67・7%である。何と今後5年で、韓国青年1万人の日本での就職を目指すプロジェクトを韓国政府が発表している。まず、この動きをストップする。
当然、就職ビザがなければ、韓国人は日本で働けない。「世界一反日」ともいわれる韓国から、なぜ、多くの就職者を受け入れなければならないのか。同じ外国人を受け入れるにしても、もっと親日的な台湾や東南アジア、インドなどの国々があるではないか。
第3の懲罰は「輸出信用状の発行制限」だ。
貿易関係者によれば、日韓の輸出入に関しては、日本の銀行の信用枠を利用することが多いという。
韓国にもいくつかの国策銀行が存在するが、財務状況が悪いところから信用枠が狭く、日本側に依存しているという。この信用枠利用を即刻、制限すべきである。
第4の懲罰として「日本の資本財や中間財の輸出制限」も考えられる。日本から、IT製品の基幹部品や素材、工作機械の輸出を止めれば、韓国経済は機能しなくなる。
いずれの懲罰も、日本側にも痛みを伴うものである。財界・産業界の支持や協力が不可欠で、日本政府の一時的救済策も必要だろう。
だが、ここで日本国民が団結して、韓国の「卑怯(ひきょう)で無法な脅迫」に屈しない態度を示さなければ、韓国の「反日暴走」はとどまるところをしらない。彼らは相変わらず国内外で、慰安婦像を大量に設置し続けているではないか。
■藤井厳喜(ふじい・げんき( 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。
テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学などで教鞭をとる。著書に『国境ある経済の復活』(徳間書店)、『太平洋戦争の大嘘』(ダイレクト出版)など多数。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181106-00000014-ykf-int
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