【ソウル=名村隆寛】日本の朝鮮半島統治下で、徴用工として日本の製鉄所で労働を強いられたとし、韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)を相手取り損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審の審理が23日、韓国最高裁で始まった。
審理は判事13人全員による合議審で非公開。請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだが、「個人の請求権」について韓国の司法が最終的に認めるかどうかが焦点。請求権を認める判決が出た場合、今後の日韓関係に悪影響が及ぶのは必至だ。
訴訟は、1941~44年にかけて新日鉄の前身であった日本製鉄の製鉄所(岩手県釜石市)で労働を強いられたという原告4人が2005年に起こした。
1、2審判決は原告敗訴だったが、12年5月、最高裁が上告審で「植民地支配の合法性について韓日両国が合意しないまま協定を結んだ状態で、日本の国家権力が関与した不法行為による損害賠償請求権が請求権協定で解決されたとみるのは難しい」とし、「個人請求権は消滅していない」と判断。2審判決を破棄し、高裁に差し戻した。
ソウル高裁は13年7月の差し戻し審で、新日鉄住金に計4億ウォン(約3900万円)の賠償を命じる原告勝訴の判決を言い渡した。新日鉄住金は「請求権は消滅した」とする日本政府の見解に基づき初めて上告したが、最高裁は今日まで確定判決を出していない。
韓国政府は請求権問題について日本同様、「請求権協定で解決済み」との立場だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も昨年8月に安倍晋三首相との電話会談でこの姿勢を再確認した。ただ、文氏はこの時、「国家間の問題とは別に、企業との間で個人請求権は存在するというのが韓国最高裁の判断」との見解も示している。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180823-00000556-san-kr
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