「産まない」「子どもはいらない」と意思表明するのって勇気がいる。自分で決めていいことのはずなのに……。夫婦二人で生活することを結婚前から決め、20代、30代を過ごしてきたライターの河辺さや香さん。
自身の経験やミレニアル女子へのインタビューを通して、「産まない人生」について考えていきます。
最近のこと。ある朝2匹の犬を連れて、夫と散歩に出かけた。私はフリーランス、夫は出社時間が自由なので、仕事の都合さえつければ平日の朝でもゆっくり犬の散歩ができる。さすがに毎日は難しいので、気まぐれな飼い主に振り回される犬たちはかわいそうだけど、私たちにとっては心地のいい大事な時間だ。
初対面の人に言われた、「子どもがいなくちゃ…」
たわいのない話をしながら、川沿いの遊歩道を歩いていたら、向こうから手押し車を押すご婦人がいらっしゃった。おそらく、80代とお見受けした。「あら、かわいいわねぇ。なんていう犬なの?」
「フレンチブルドッグです。もう一匹は、チワワとミニチュア・ピンシャーのミックス犬です」
「そうなの~。ハイカラねぇ。私、もう難しい名前は覚えられないわ。ふふふ」
こんな、どこにでもありがちな世間話をしていたのだが、しばらくするとご婦人は私たちを見てこうおっしゃった。
「でもあなたたち、犬ばっかりかわいがっていても、子どもがいなくちゃどうしようもないじゃない」
ちなみに、私たちに子どもがいないことは一言も言ってない。エスパーか! と思った。
「犬ばっかりじゃねえ。子どもがいなくちゃどうしようもないわ。ご夫婦、仲がよろしいんでしょう?」
ご婦人は3度くらいにこやかに「子どもがいなくちゃどうしようもないわ」とおっしゃった。
「そうですね(笑)」
私はなんとなく、話が長くなるとこの場を離れにくくなるだろうと思い、当たりさわりのない返事をし、「それではまた」と会釈すると、犬に引きずられるようなそぶりをして歩き出した。
「ねえねえ、どうして私たちに子どもがいないってわかったんだと思う?」
「さぁねー」
「もしかして30代の新婚夫婦に見えたのかな(笑)」
「うーん、それはどうだろう(苦笑)」
夫は特に気にする様子もなく、何ごともなかったかのように歩いていった。中学生の子どもがいてもおかしくない年齢の私は「きっと自分たちは若く見られたに違いない」と、都合のいいように解釈した。
ちょっと前なら「大きなお世話!」と感じたかもしれないのに、こんなに余裕でいられる自分の心境の変化に、40代になったことを少しうれしく思った。
子どもを産まないことも、人生の選択肢の1つ
私は現在41歳、3つ年上の夫と結婚して13年目になる。先にも書いた通り、子どもはいない。結婚する前から自分は産まないだろうと思っていたので、それを相手にも伝えてから籍を入れた。
読者のみなさんと同世代の女性から、「どうして産まない選択をしたんですか? 産め産めというプレッシャーを、どうやって切り抜けたんですか?」と真剣に相談された。世の中には意外と私のような女性がいるのかもしれないと思い、このテーマを掘り下げようと思った。
私は子どもをほしいと思ったことがない。授かりものだから、いざ産みたいと思っても希望どおりいくものではないことはもちろん分かっている。だから、「産まない選択」という表現もおこがましいのかもしれない。
やりたいことが山ほどあるし、忙しいのは事実だ。でも忙しい方が性に合っているし、子どもが嫌いなわけではない。みんなが望むものをなぜ自分はほしいと思わないのか、これまでも十分に考えたのだけどよくわからない。
誤解をしないでいただきたいのだが、私は自ら子どもを産まない選択をしただけであって、産んだ方や産みたいと思う方を否定するつもりは一切ない。
ただ、世の中にはこういう人もいるということを知ってほしいのと、もし産まない選択をしたことで悩んでいたり、心がざわついている人がいれば、少しでもそれを軽くできればと本気で思っている。
デリケートな問題なので、書くのは少し勇気がいるのだけど、だからこそいろんな考え方があるということを知ってほしかった。
次回は、産まない選択をしたことで、これまでどのようなプレッシャーを受けてきたのか、そしてどうやって切り抜けて(スルーして?)きたのかを書きたいと思う。ゆくゆくは、積極的に産まない選択をしてきた方に取材をしたり、海外の事例なども取り入れていけたらと思っている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180508-00010000-telling-life
みんなのコメント
記事中に出てくる人たちが考える「普通の暮らし」つまり「背伸びしない家、車、子供は二人ぐらい」って、
今の若者の「普通」の生涯賃金、現代の金利から逆算すると、
それだけで「二千万の赤字」になるって考え方もあるんです。将来を考えて養育費を上積みしたり、結婚資金、思わぬ傷病や災害があったりするとこの赤字はもっと膨れ上がります。
敢えて選択する、時代と人生という上辺で覆い隠されているけど
実は子供を作らない、作れないのも若者の普通になりつつある。
子供を作れるそこそこの若者の家庭ですら、今度は生活レベルを下げられずにバブル時代の生活して困窮、とか見栄でマウント争いなんて記事もここで流れてくるぐらいですから、
そりゃ「普通」の人たちには、むしろ子供を作る方が「あえて選んだ」人生になっていっても不思議じゃありませんね
なんか似た様な話があったナ…
あゝ、学校へ行かない事を‘選択’した不登校の子供達?みたいな。でも、それって
親がそう勝手に解釈してるだけなんだよな。自分の子供時代を思い出しても、そんなカッコいいもんじゃない。
真意は不明なんだよ。決して分かり合えない親子の関係がそこにはある。
子供は親になる事で親の気持ちが少しは分かる様になるもんだろうけどな。
余計なお世話とはいえ、子供産んだことのない人には是非子供の素晴らしさを知って欲しいと思う人は多いと思う。産んで虐待する人もいるけど、産んで良かったと思う人の方が多いのだから、、、
無計画、無責任な親に育てられた子供がかわいそうだし。
「子供作らないんすか」とか結構聞いてくるけど(笑)
知らないし、興味が出てきたんだろうな、と解釈してる。
欲しかったけど、流産した後、できなかったんだ~ って
素直に言ったら、「すみません、、」って言ってくれたけど
そういう気持ちをもってくれただけでも
いい子だなって思う。
そういうこともあると知識上では知っているはずなのに
「女は子供産んでなんぼ」みたいな事を言う人には
嫌悪感しかないけど。
子供産んだ功績は確かに素晴らしいけど
そんなこと言う人は大概自分が育ってないので
子供に負担を与えてる人達。
江戸時代の昔から、こういう風来坊気質な人間はいるわけで、子作りは子孫繁栄に熱心な人間に任せておけばいい。
そして、子供=幸せも今の時代ちがう。 子供がいることでキャリアが自由がって言っているようなら必要はない。
一人目不妊で悩む方からは「二人目なんて贅沢」
きょうだいのいるママやご年配の方からは「次子は考えないの?」「一人はかわいそう」
二人目不妊もなかなか辛かった。
結婚したら子ども産んで当然、一人産めば二人くらい産まなきゃ、という意見を度々聞いてきました。最初は悩みました。でも他人の価値観で我が家の幸せを判断するような親にはなりたくなかったので、もう悩むのはやめました。
他人の家庭の、まして子供の事情にまでとやかく言われる筋合いないです。本当にやめてほしい!
産めない=欲しくってしょうがないけどできない
産まないで、老後は他人の子供に面倒を見ろと言う厚かましさ。
たまにお年寄りの中には飛びぬけて勘のいい人がいるのでびっくりします。そういうのって年の功なのでしょうか、それとも何かの能力なのでしょうか。
45歳ぐらいまで言われて辛かった。
50過ぎて、やっと解放された感じ。
祖母も多産だったし、母も多産で、
結婚すりゃ生まれると思っている母がうるさかったわ。。。
何か理由があって出来ないとか考えられないのかな?と思う。
余計なお世話だし、自分の思いを人にぶつけないでほしい。
子供ができるまでは、別にいらないと思ってた。
でも、子供がいる身になってみると、子供がいる幸せを味わってほしいと思うようになった。
だから、両者の主張は常に平行線になる。
「結婚はしない主義なんです」とか言うのもそうだし
どういっても質問者は自分のしたい想像をするだけでしょう
若くても妊娠するとは限らない。
かと思えば30代後半~40代前半で
初産を経験する人もいる。
みんなそれぞれの生き方がある。
人様に迷惑をかけなければ、自分の好きなように
生きればいいと思う。
そう言いたい気持ちはわかるんだけど、でもそれって、すごく単細胞な発想なんですよね・・・。
まず、生物としての本能を優先するのであれば、高度な文明制度である一夫一婦制結婚は、より優れた個体をより多く残すべきという生物の掟を放棄している。
生物史学的に、地球は過去に何度も絶滅と繁栄を繰り返している。
人間だけ例外というのは傲慢な考えであって、いつかは人間という生物も絶滅する。
高度な文明社会では、子供と同等もしくはそれ以上に残すべき大切なもの数多く存在する。
などなど、数え上げればキリがない。
子供の話の時だけ、生物学がでてくるのは、うんざり。
生物ガーと言いたいなら、すべての事象を生物ルール基準で考えてもらいたい。
内容の無い記事。
産みたくても産めない人の気持ちも考えてみたら?
「私はフリーランスで働いている」って聞こえはいいけど、所詮こんな記事書いてお金貰っているだけでしょ。
個々の夫婦が産むか否か選択するのは夫婦の自由意思で決めること。
周りが何を言おうが知ったことではない。
それが人の為、国の為。
自分と同じ苦しみを子供に与えたくない。
独身の方や、子供がいない人は、入所してから、面会や遊びに来るご家族もなく(身寄りがなくなる)ベッドで過ごし、独りでお亡くなりになって、役場と施設の職員のみで弔い、少し寂しそうに見えてしまいました。
経済的に無理なのと、子供があまり好きではないのと、人間関係が広まることが不安、旅行好きだし、子供のために結婚したんじゃないし、(薄々勘づいていて転院後分かったことですが私は発達さんでした)
口を酸っぱくして言ってきたけど、最後まで許せなかったみたい。授かってから『要らないのにどうしよう、産みたくない』なんて言ってるわけでもないのに。
今は年が近い男性医師で、希望がないことは分かっているのでこの2年間一言も言われたことがありません。
医師に言われるというのもキツいものです。家族の理解があるのは有り難いですが。
結婚していない=不幸
という考えの人たちは
これからは
そういう考えしかできない、了見が狭い、かわいそうな人
と見られてゆくのだと思います。
時代は変わってゆくものですからね。
親友が結婚して、子ども欲しがってたけどオメデタの話聞かないな?って思ってたら、次会ったときには離婚報告だった。旦那さんが子ども欲しくないとのことで、うまくいかなかったらしい……。
他にも何組か子どもを産むかどうかでもめて離婚したカップルを知ってる。
結婚する前に子どもをどうするか話し合っておかないとね……もちろん結婚式結婚してから授かりにくいことが分かることもあるだろうけど…
夫婦で共に決断して二人で幸せいっぱいならそれは素敵な話じゃないですか
パートナー倒れたら、持ち家でも月に15万はないとご苦労される方が多いようです。
有料老人ホームを考えたとき、一人でも月に20万位は最低でも必要ですので、ご参考までに。
後見人などの制度も速やかに導入出来るようにしとけばさらに安心ですね。
人って結局同じ立場にならないとわからないもん。自分は子供いるけど、産まない人生を選んだ人の気持ちはわからないし、逆にその人たちからはなぜ子供を産んだのかわからないだろうし。
理解しあえないからといって、違う立場の人のこと否定したりせずに、余計なこと言わずに、適度に付き合っていけばいいじゃない。