ノーベル賞の季節が近づいた。来月1日のノーベル医学生理学賞受賞者の発表を皮切りに2日に物理学賞、3日には化学賞の受賞者が順に発表される。ノーベル賞は「人類に最も大きな貢献をした人物に財産を賞金として渡す」というアルフレッド・ノーベル(1833-96年)の遺言で制定された。1901年に授与が始まった後、昨年まで医学生理学、物理学、化学などの科学分野で計599人の受賞者が出ている。
韓国からはいつごろ最初のノーベル科学賞受賞者が誕生するのだろうか。国内科学者の研究力量を見ると、その可能性は低くない。
韓国研究財団は最近、論文被引用数基準でノーベル賞レベルに近い韓国の科学者13人を発表した。13人のうち6人は過去10年間にノーベル科学賞受賞者のレベルにすでに到達していることが分かった。
残りの7人は3年以内に同じレベルに達すると分析された。研究財団側は「ノーベル科学賞受賞の可能性をはかるものではない」と明らかにしたが、
少なくとも6人の国内研究者が過去10年間にノーベル賞を受賞した科学者のレベルになったというところに意味がある。
研究財団は一次的に研究生産力と影響力、ネイチャー・サイエンス・セルなど主要3大科学ジャーナルのうち1つに2件以上の論文を掲載した履歴、上位1%論文10件以上保有の計3つの条件のうち2つ以上を満たした研究者31人を選抜した。
その後、31人の研究者のうち論文被引用数がすでにノーベル賞受賞者の平均値を超えたり3年以内に超えると推定される研究者13人が最終選抜された。
物理学の分野は金必立教授(キム・ピルリプ、ハーバード大)、チョン・サンウク教授(ラトガース大学)、イ・ヨンヒ教授(成均館大)、化学はヒョン・テクファン教授(ソウル大)、キム・グァンス教授(UNIST)、ユ・リョン教授(KAIST)、
ソン・ヤングク教授(漢陽大)、ユン・ジュヨン教授(梨花女子大)、チョ・ジェピル教授(UNIST)、パク・ナムギュ教授(成均館大)、ソク・サンイル教授(UNIST)、医学生理学はイ・ソグ教授(延世大)、キム・ピッネリ教授(ソウル大)だ。
ユ・リョン教授とパク・ナムギュ教授はそれぞれ2014年と2017年にグローバル情報分析機関クラリベイト・アナリティクスのノーベル賞受賞候補予測リストに名を連ねた。
このように韓国の研究者は優秀な研究成果でノーベル賞レベルの論文被引用指数に達しているが、実際に受賞につながっていない理由は2つあると分析された。国際共同研究などネットワークの不足と短い基礎科学研究史だ。
韓国研究財団のキム・ヘド政策研究チーム長は「優秀な研究成果と高い被引用指数がノーベル賞受賞に直結するわけではない」とし「研究の成果を国際的に知らせようとする努力もなければいけない」と明らかにした。
キム・チーム長は「日本学術振興会(JSPS)の場合、ノーベル賞授賞式が行われるスウェーデンのストックホルムに5人の学者が勤務し、現地の科学者と国際的なネットワークを強化していると聞いている」とし
「国家レベルの広報より、こうしたネットワークを通じて自然に研究の成果が知られるようにする必要がある」と話した。
チョ・ジェピルUNIST(蔚山科学技術院)エネルギーおよび化学工学部教授も「韓国科学者の研究成果が国際的に低く評価されているのは否定できない」とし
「国際共同研究・国内大学の海外優秀教授招聘などがもっと活発になければいけない」と強調した。チョ教授は「2010年に英マンチェスター大のコンスタンチン・ノボセロフ教授が夢の素材と呼ばれる
『グラフェン』研究でノーベル物理学賞を共同受賞したが、これはサムスン電子がグラフェンを利用したディスプレーを世界的に流通したため」と説明し、ノーベル賞も研究ネットワークや国の経済力など主観的な要因と無関係ではないと明らかにした。
実際、科学分野のノーベル賞受賞者は米国が263人(44%)、英国が87人(14%)、ドイツが70人(11%)を輩出するなど偏りが大きい。アジアでは日本が22人で最も多い。研究財団はその理由として
「米国・日本・ドイツ・フランスなどの研究者を中心に協力があり、韓国の場合、協力の中心部と距離がある」と述べた。ノーベル物理学賞の場合、受賞者の論文5095件のうちわずか5.3%の271件だけに韓国の研究者が共同で参加していることが分かった。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180928-00000004-cnippou-kr
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