日韓関係の火種となっていた元徴用工の損害賠償訴訟で、韓国最高裁は日本企業の賠償責任を認める判決を下した。戦後の両国関係発展の礎とも言える「日韓請求権・経済協力協定」(1965年)に真っ向から対立する判断で、文在寅政権の対応が焦点となる。日本企業への新たな提訴が相次ぐ事態となれば、日韓関係は危機に陥る。
◇「反人道的な不法行為」
「不法な植民地支配および侵略戦争の遂行に直結した日本企業の反人道的不法行為を前提とする慰謝料請求権だ」韓国最高裁の金命洙長官は30日午後、新日鉄住金の上告を棄却した判決で、日本の植民地支配を「不法」と改めて明言した。このような位置付けが確定したことで、植民地支配に絡む損害賠償を正当化する流れが強まる可能性がある。
その上で判決は、請求権協定が日韓間の債権などを「政治的合意で解決する」ことが目的だったと指摘。日本が協定交渉で植民地支配の違法性を認めず、徴用の賠償を否定したことから、元徴用工への損害賠償は協定の「適用対象に含まれたとみることはできない」と結論付けた。
元徴用工らは2005年、韓国で訴訟を起こしたものの、一、二審で請求は棄却された。しかし最高裁が12年に一転して、
請求権は「協定で消滅していない」と判断。憲法裁が11年に元慰安婦の賠償請求権をめぐり「韓国政府が日本側と交渉する努力をしないのは違憲」と判断したことから、世論を意識したとの見方が出ていた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181103-00000020-jij-int
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